中国からサーカスの北京雑技団が来ています。これがなかなかの、大笑い。「サーカスを見に行くんだ」と思うとがっかりしてしまいますが、80年代コメディーを見た、と思うと楽しめます。昭和にタイムスリップ。いわゆる古典的な中国サーカスです。懐かしいですよ、いろんなものが。ライオンや熊は出て来ませんが、手作りのテントの中に、身体のやたら柔らかい人たちと、光GENJIと、タケチョンマンが出て来ます。後半の空中ダンスは、とても美しかったです。
先週末、テレビ中継で全内容が放送されていましたが、やはり本物を見た方が楽しめるでしょう。ポップコーンとジュースを抱えて。ほんと、笑えます。
開園時間:Mon.-Fri. 7:30pm, Sat.+祝日 5:00pm,7:30pm
Sun. 2:00 pm,5:00pm y 7:30pm
入場料:一般席 子ども3,000₡(6$)、大人6,000₡(12$)
情報サイト:San José para niños
住所:Paceo Colon y calle 40, enfrent de Museo de Arte Costarricense (Parque Sabana)
中米小国Costa Rica首都San Joséの、私が見つけたお気に入り。
San José市役所女性課にて「女性の経済自立・起業支援」の新規事業立ち上げProject Manager をしていました。
(2009-11の2年間、jica派遣)
当サイトは、日本の皆さんへコスタリカ現地情報をお伝えすることと、
コスタリカを訪れる方・在住の方へSan Joséのレストランやショップ・博物館等を紹介することの2つを目的として、
市役所職員の目線で書き残したSan José情報ガイドです。
(最後はネタが尽きて、私の仕事についても書きました。でも本来の目的はあくまでSan José情報ガイドです:-))
2012.06現在、更新休止中
※サイト内で使用している写真は全て私が個人的に撮影したものです。無断使用・転用はお控え下さい。
2011年7月29日金曜日
2011年7月28日木曜日
buen trabajo 良い仕事。
めっっっちゃくちゃに、良い仕事した。これは、本当に、良い仕事をしたと思う。
我ながら、納得。ものすごい安定感。
Johnny Araya市長との会議。勝負15分間。しっかり押さえました。
これで本当に5カ年、2016年まで本プロジェクトは私抜きで続きます。
周囲から順に固めましたが、最後の頭、しっかり落としました。今の女性課、すごく良いチーム。
秘書Rosaの大学奨学金も、市長に直訴して確保。
彼女は経営学学士を取り、本プロジェクトのコーディネーター職に備えます。=秘書脱却
やるべき役割は、果たしたぞーー
このような機会をもらえたことに、心から感謝です。ありがとう。
フェリア前日、8月4日の第1回PAEM卒業式。
ご期待下さい。
花火、打ち上げます。
我ながら、納得。ものすごい安定感。
Johnny Araya市長との会議。勝負15分間。しっかり押さえました。
これで本当に5カ年、2016年まで本プロジェクトは私抜きで続きます。
周囲から順に固めましたが、最後の頭、しっかり落としました。今の女性課、すごく良いチーム。
秘書Rosaの大学奨学金も、市長に直訴して確保。
彼女は経営学学士を取り、本プロジェクトのコーディネーター職に備えます。=秘書脱却
やるべき役割は、果たしたぞーー
このような機会をもらえたことに、心から感謝です。ありがとう。
フェリア前日、8月4日の第1回PAEM卒業式。
ご期待下さい。
花火、打ち上げます。
2011年7月25日月曜日
Tarjeta Postal Favorito お気に入りのポストカード
2011年7月22日金曜日
Las capacitaciones 2 経済自立のための研修2
Las capacitaciones 1 経済自立のための研修1、の続き。
今回から、各クラスの詳細を見て行きます。
1)ビジネスクラス Curso de Negocio
2)価値クラス Curso de Valoes
3)お金との付き合い方クラス Curso de Finanzas Sanas
4)自尊心クラス Curso de Auto Estima
5)法人登記・税金のワークショップ Taller de Registro de Negocios
--------------------------------------------------------------------
1)ビジネスクラス Curso de Negocio
プロジェクトの求心力となっているのは、月例会議。それと同等、もしくはそれ以上に重要な位置づけなのが、ビジネスクラスです。「自分は、経済自立に向けて、プロになるために、準備をしているんだ。」という意識を、最も明確に持たせることができるからです。私はこの”経済自立に向けた本気モードに火をつける”ことは、プロのサービスを受けることで、プロになれると自信を持ってもらう・プロになるんだと覚悟してもらうことができるため、重要なことだと考えています。彼女たちは、今まで自分を「プロ」として扱ってもらったことがないからです。
支援してくれ、と要求するばかりではなく、自分の足で動きだすんだ、と自覚させる。このスイッチの切り替えは、ソーシャルサービスを実施していく上でとても重要なポイントですが、それは、生まれて初めて自分をプロフェッショナルとして扱ってもらえたという誇りを得た感覚に、他ないのではないでしょうか? だからこそ、彼女たちを子ども扱い・どうせできないんでしょという心理で接することは禁じ手だと考えています。逆に言えば、このスイッチさえ入ってくれれば、青天井になる可能性を秘めていると思います。
そのスイッチを入れるためには、市役所内のポテンシャルだけでは難しい。ちょっと他機関に協力をしてもらいましょう。あなたはプロです、と扱ってくれる機関に。
本クラスの目的は「自身のビジネスプランを作成すること」「将来の事業拡大への可能性を得ること」です。これは、2つの銀行とPRONAMYPE(労働省(Ministerio de Trabajo)の貧困層支援機関)の、3つの選択肢から1つを選んで受講する形式を採っています。どの選択肢を採っても、基本的に学ぶことは同じであり、またビジネスクラス受講の後は、希望する場合と審査に通れば、事業を作る・拡大するための融資を受けることができます。研修と融資がセットになったクラスです。
選択肢1: Banco Nacional(Banca Mujer) 国立銀行(女性銀行) 6週間 (4時間x6回=24時間)
選択肢2: Banco Popular みんなの銀行 6週間 (4時間x7回=28時間)
選択肢3: PRONAMYPE 15週間 (4時間x15回=60時間)
--------------------------------------------------------------------
まずは選択肢1のBanco Nacional (Banca Mujer)。この銀行とのアライアンスによる第1回目のビジネスクラスは、下記の通り、サンホセ市役所女性課に当時来ていた150名の中からトップ20名の女性に対して実施されました。(実施までのプロセスは、caso Karla カルラさんのケース の中で紹介しています。)
【選択肢1 Banco Nacional 第1回目 実施内容】
・期間 2010年9~12月の4ヶ月間
・時間 毎週水曜日午後1~5時(4時間) x 20週 = 80時間
・対象者数 20名
・参加条件
-クレジット履歴がクリアであること
-商品の質が高いこと
-経済自立に対するモチベーションが高いこと
・採用教材 TECNOMYPE(政府中小企業技術支援機構)
・実施母体 Fundación Omar Dengo オマールデンゴ財団
・実施場所 Sede de Banca Mujer 女性銀行支店の研修ルーム
銀行にとってこのクラスは投資の一環のため、クラス終了後に実際の融資につながる可能性のある人たちが対象となります。2010年9月の段階でこの3つを明確にクリアする人を20名選抜することは、いくら母数が150居たとしても、なかなか大変な仕事になりました。また、選抜された20名の女性も、80時間のクラスに休まず通うことは決して楽なことではありません。
--------------------------------------------------------------------
この選択肢1 Banco Nacional とのビジネスクラス実現を受け、次に解決しなければ問題がはっきりしました。ここは市役所。プロジェクトの目的は、シングルマザー・教育レベルの低い人・貧困層の経済自立です。クレジット履歴がクリアではない人は山と居て、早い話が、銀行の相手にならない人たちがウジャウジャ居ます。この人達の底上げを、どう実現するか?です。
コスタリカ国内には、本当に様々な女性の経済自立を支援する機関が存在していますが、その中に、後の選択肢3となる PRONAMYPE (政府中小企業支援機構)というものがあることを知りました。早速、その代表者Presidente の Sandra と連絡を取り、直接お話をしました。
バングラディッシュには、グラミン銀行という貧困層支援(マイクロクレジット)で大変に有名な銀行があります。その創立者のムハマド・ユヌス氏とその銀行は、2006年に共にノーベル平和賞を受賞しました。PRONAMYPEはそれを鑑みてコスタリカ国特有に作られた支援機関とのこと。つまり、クレジットを既に失っている女性たち・教育レベルが更に低い女性たち・貧困レベルの更に低い人たち「だけ」を対象とした支援機構です。代表者Sandra と始めてお会いした時、「グラミン銀行より良いサービスを提供している。」と自信満々かつ自慢気に、そのサービス内容をお話して下さいました。こういう姿勢が、コスタリカのすごいところだと思います。
「私は市役所女性課であり女性の経済自立支援の仕組みを作っている。現在、Banco Nacionalとの連携が始まったところだが、クレジットがクリアな人しか受講することができず、底辺層への支援をどうすれば良いか考えている。本機関とどんな連携が可能かを考えたい。」と伝えると、「底辺層に対して実施するビジネスクラスの予算、並びに、底辺層向けの小口融資の機能を持っている。」と言われました。驚くことに、国の仕組みとして、底辺層に対して実施するビジネスクラス分の予算は大量にある、と言うのです。正直、これはかなりびっくりしました。
そこで先方より、「対象者を選抜してもらい、そのリストを添えて、正式に市役所からの申請書を出して下さい。追ってこちらから詳細を連絡します。ただし、部屋代は拠出することができないので、実施場所は確保して下さい。」と指示を受けました。そして、2010年12月、秘書Rosaが頑張ってくれました。底辺層に絞って40名を選抜し、正式に申請書を提出。この選抜もかなりの時間がかかりましたが・・・、もはや秘書は秘書以上の仕事をしてくれてます。。すまない。。
申請から待つこと5カ月。無事、下記の通り第1回目のPRONAMYPEビジネスクラスが実現されました。(現在も実施中です)
【選択肢3 PRONAMYPE 第1回目 実施内容】
・期間 2011年2~9月の4ヶ月間
・時間 毎週火曜日コース/金曜日コース午後1~5時(4時間) x 15週 = 60時間
・対象者 40名(各コース20名づつ)
・参加条件
-クレジット履歴がクリアでない人
-低教育層
-貧困層
・実施母体 PRNAMYPE 政府中小企業支援機構
・実施場所 Mini-Auditorio de la Municipalidad de San José サンホセ市役所研修ルーム
・講師 Doña Flora Calvo Abarca フローラ・カルボ・アバルカ氏(元健康省副大臣)
対象者がクレジット履歴がクリアでない人・低教育層・底辺層のため、銀行が実施しているものと全く同じ研修内容を、3倍の時間をかけて教えています。そして、蓋を開けてびっくりしたことが。担当して下さっている講師Flora氏は、元健康省の副大臣でした。道理で、偉く頭が良い訳だ。。。元副大臣から、ビジネスプランの作成方法を直接教えてもらえるクラス。こんな環境、日本ではあり得ません。考えてみてください。厚生労働副大臣が、あなたのビジネスプラン作成を、詳細まで付き合ってもらえますか? 自分よりずっと遠い存在だった”すごい人”から直接教えてもらえることは、一気に「プロとして扱ってもらえている誇り」感覚を加速させることができると思います。それが、この国の底辺層支援の政府機関が実施している現実。私はこのPRONAMYPE、本当にすごいと思っています。
--------------------------------------------------------------------
さて。グループの女性たちのうち、トップは選択肢1、底辺は選択肢3、と対応することができました。2011年に入り、中間層をどうするかなぁ・・・と考えているころ、こういう時の引きは相変わらず強いわたし。Banco Popular という「みんなの銀行」(※私訳)の開発部の方が、なぜかこのタイミングで、市役所女性課を訪ねて来てくれました。「女性たちの支援のためにビジネスクラスを実施したい。」本当かいな?また、たまたまこの銀行の開発部のオフィスが、物理的に市役所から徒歩5分のところにあり、「詳細を聞きたい。」とその足で秘書Rosaを引き連れ、担当者の上司に会いに行きました。
まずは正確に説明をしなくてはいけないことがあります。「私たちは市役所です。1銀行と密着することは、できません。私たちは、既に御社競合のBanco Nacional(Banca Mujer)とのアライアンスを持っていて、ビジネスクラスを実施しています。」とお伝えすると、「それでも構わない。」と言うのです。聞くところによると、本銀行における実施目的は、融資対象者としての顧客拡大よりも、市民の底上げだ、と。素晴らしいビジョンではないですか。また、このクラスの特徴は下記2つ。
1)銀行員が直接クラスを実施すること
2)連携の経営学部学生がメンターとして、2~3名にひとりづつ付いてビジネスプランの作成をばっちりサポートすること
やらないわけが、ないでしょう。ただ、打ち合わせ先で、先方上司が盛り上がってしまい、「30名でも40名でも、やるぞー!」と大風呂敷を広げ始めてしまいました。担当の銀行員 Jeffery が困っている様子が見て取れ、私から「これは成功をしっかり形にすることの方が大切です。ここは大きく出るより、小さくても良いから、確実な成功ケースを作りましょう。ということで、今回は10名こちらで選抜します。ただし、成功したら、継続的に人を送ることをお約束します。」と話をしました。市役所に戻って早速のGoサインのもと、お会いしてからものの1カ月で、ビジネスクラスへの実現となりました。このクラスが・・・涙が出るほど本当に良いクラスでした。。
【選択肢2 Banco Popular 第1回目 実施内容】
・期間 2011年2~3月の7週間
・時間 毎週木曜日 午前8~12時(4時間) x 7週 = 28時間
・対象者 10名
・参加条件
-クレジット履歴がクリアでなくとも、商品の質が高いこと
-高校レベルの教育を受けていること
・実施母体 Banco Popular みんなの銀行
・実施場所 Sala de Banco Popular みんなの銀行 大会議室
・講師 Jeffery氏 みんなの銀行銀行員
・メンター 提携大学 経営学部学生3名
--------------------------------------------------------------------
これらをどう継続した仕組みに持って行ったか、は別途お伝えするとして、
とにかく分かったことは、この国は、ビジネスクラス=ビジネスプランの作成コースは、多くの機関が実施しています。しかし、他の部分のサポートは弱い、ということでした。試しに、PRONAMYPEに「そこまで予算が付いているなら、ビジネスクラスだけでなく、他のクラスも実施してみない?」と聞いてみたのですが、残念ながらこの予算はビジネスクラスのみに適用とのこと。残念。
例え、立派なビジネスプランだけが作成できても、経済自立へはちょっと遠いように思います。もっと意識的な変化に働きかけないと。市役所女性課の本プロジェクトPAEMとしては、総合的な支援体制を整えて行くことが目的です。そこで、不足分を市役所予算で実現できないか、の検討を始めました。
2)価値クラス Curso de Valoes
3)お金との付き合い方クラス Curso de Finanzas Sanas
4)自尊心クラス Curso de Auto Estima
5)法人登記・税金のワークショップ Taller de Registro de Negocios
続きはまた今度。
今回から、各クラスの詳細を見て行きます。
1)ビジネスクラス Curso de Negocio
2)価値クラス Curso de Valoes
3)お金との付き合い方クラス Curso de Finanzas Sanas
4)自尊心クラス Curso de Auto Estima
5)法人登記・税金のワークショップ Taller de Registro de Negocios
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1)ビジネスクラス Curso de Negocio
プロジェクトの求心力となっているのは、月例会議。それと同等、もしくはそれ以上に重要な位置づけなのが、ビジネスクラスです。「自分は、経済自立に向けて、プロになるために、準備をしているんだ。」という意識を、最も明確に持たせることができるからです。私はこの”経済自立に向けた本気モードに火をつける”ことは、プロのサービスを受けることで、プロになれると自信を持ってもらう・プロになるんだと覚悟してもらうことができるため、重要なことだと考えています。彼女たちは、今まで自分を「プロ」として扱ってもらったことがないからです。
支援してくれ、と要求するばかりではなく、自分の足で動きだすんだ、と自覚させる。このスイッチの切り替えは、ソーシャルサービスを実施していく上でとても重要なポイントですが、それは、生まれて初めて自分をプロフェッショナルとして扱ってもらえたという誇りを得た感覚に、他ないのではないでしょうか? だからこそ、彼女たちを子ども扱い・どうせできないんでしょという心理で接することは禁じ手だと考えています。逆に言えば、このスイッチさえ入ってくれれば、青天井になる可能性を秘めていると思います。
そのスイッチを入れるためには、市役所内のポテンシャルだけでは難しい。ちょっと他機関に協力をしてもらいましょう。あなたはプロです、と扱ってくれる機関に。
本クラスの目的は「自身のビジネスプランを作成すること」「将来の事業拡大への可能性を得ること」です。これは、2つの銀行とPRONAMYPE(労働省(Ministerio de Trabajo)の貧困層支援機関)の、3つの選択肢から1つを選んで受講する形式を採っています。どの選択肢を採っても、基本的に学ぶことは同じであり、またビジネスクラス受講の後は、希望する場合と審査に通れば、事業を作る・拡大するための融資を受けることができます。研修と融資がセットになったクラスです。
選択肢1: Banco Nacional(Banca Mujer) 国立銀行(女性銀行) 6週間 (4時間x6回=24時間)
選択肢2: Banco Popular みんなの銀行 6週間 (4時間x7回=28時間)
選択肢3: PRONAMYPE 15週間 (4時間x15回=60時間)
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まずは選択肢1のBanco Nacional (Banca Mujer)。この銀行とのアライアンスによる第1回目のビジネスクラスは、下記の通り、サンホセ市役所女性課に当時来ていた150名の中からトップ20名の女性に対して実施されました。(実施までのプロセスは、caso Karla カルラさんのケース の中で紹介しています。)
【選択肢1 Banco Nacional 第1回目 実施内容】
・期間 2010年9~12月の4ヶ月間
・時間 毎週水曜日午後1~5時(4時間) x 20週 = 80時間
・対象者数 20名
・参加条件
-クレジット履歴がクリアであること
-商品の質が高いこと
-経済自立に対するモチベーションが高いこと
・採用教材 TECNOMYPE(政府中小企業技術支援機構)
・実施母体 Fundación Omar Dengo オマールデンゴ財団
・実施場所 Sede de Banca Mujer 女性銀行支店の研修ルーム
銀行にとってこのクラスは投資の一環のため、クラス終了後に実際の融資につながる可能性のある人たちが対象となります。2010年9月の段階でこの3つを明確にクリアする人を20名選抜することは、いくら母数が150居たとしても、なかなか大変な仕事になりました。また、選抜された20名の女性も、80時間のクラスに休まず通うことは決して楽なことではありません。
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この選択肢1 Banco Nacional とのビジネスクラス実現を受け、次に解決しなければ問題がはっきりしました。ここは市役所。プロジェクトの目的は、シングルマザー・教育レベルの低い人・貧困層の経済自立です。クレジット履歴がクリアではない人は山と居て、早い話が、銀行の相手にならない人たちがウジャウジャ居ます。この人達の底上げを、どう実現するか?です。
コスタリカ国内には、本当に様々な女性の経済自立を支援する機関が存在していますが、その中に、後の選択肢3となる PRONAMYPE (政府中小企業支援機構)というものがあることを知りました。早速、その代表者Presidente の Sandra と連絡を取り、直接お話をしました。
バングラディッシュには、グラミン銀行という貧困層支援(マイクロクレジット)で大変に有名な銀行があります。その創立者のムハマド・ユヌス氏とその銀行は、2006年に共にノーベル平和賞を受賞しました。PRONAMYPEはそれを鑑みてコスタリカ国特有に作られた支援機関とのこと。つまり、クレジットを既に失っている女性たち・教育レベルが更に低い女性たち・貧困レベルの更に低い人たち「だけ」を対象とした支援機構です。代表者Sandra と始めてお会いした時、「グラミン銀行より良いサービスを提供している。」と自信満々かつ自慢気に、そのサービス内容をお話して下さいました。こういう姿勢が、コスタリカのすごいところだと思います。
「私は市役所女性課であり女性の経済自立支援の仕組みを作っている。現在、Banco Nacionalとの連携が始まったところだが、クレジットがクリアな人しか受講することができず、底辺層への支援をどうすれば良いか考えている。本機関とどんな連携が可能かを考えたい。」と伝えると、「底辺層に対して実施するビジネスクラスの予算、並びに、底辺層向けの小口融資の機能を持っている。」と言われました。驚くことに、国の仕組みとして、底辺層に対して実施するビジネスクラス分の予算は大量にある、と言うのです。正直、これはかなりびっくりしました。
そこで先方より、「対象者を選抜してもらい、そのリストを添えて、正式に市役所からの申請書を出して下さい。追ってこちらから詳細を連絡します。ただし、部屋代は拠出することができないので、実施場所は確保して下さい。」と指示を受けました。そして、2010年12月、秘書Rosaが頑張ってくれました。底辺層に絞って40名を選抜し、正式に申請書を提出。この選抜もかなりの時間がかかりましたが・・・、もはや秘書は秘書以上の仕事をしてくれてます。。すまない。。
申請から待つこと5カ月。無事、下記の通り第1回目のPRONAMYPEビジネスクラスが実現されました。(現在も実施中です)
【選択肢3 PRONAMYPE 第1回目 実施内容】
・期間 2011年2~9月の4ヶ月間
・時間 毎週火曜日コース/金曜日コース午後1~5時(4時間) x 15週 = 60時間
・対象者 40名(各コース20名づつ)
・参加条件
-クレジット履歴がクリアでない人
-低教育層
-貧困層
・実施母体 PRNAMYPE 政府中小企業支援機構
・実施場所 Mini-Auditorio de la Municipalidad de San José サンホセ市役所研修ルーム
・講師 Doña Flora Calvo Abarca フローラ・カルボ・アバルカ氏(元健康省副大臣)
対象者がクレジット履歴がクリアでない人・低教育層・底辺層のため、銀行が実施しているものと全く同じ研修内容を、3倍の時間をかけて教えています。そして、蓋を開けてびっくりしたことが。担当して下さっている講師Flora氏は、元健康省の副大臣でした。道理で、偉く頭が良い訳だ。。。元副大臣から、ビジネスプランの作成方法を直接教えてもらえるクラス。こんな環境、日本ではあり得ません。考えてみてください。厚生労働副大臣が、あなたのビジネスプラン作成を、詳細まで付き合ってもらえますか? 自分よりずっと遠い存在だった”すごい人”から直接教えてもらえることは、一気に「プロとして扱ってもらえている誇り」感覚を加速させることができると思います。それが、この国の底辺層支援の政府機関が実施している現実。私はこのPRONAMYPE、本当にすごいと思っています。
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さて。グループの女性たちのうち、トップは選択肢1、底辺は選択肢3、と対応することができました。2011年に入り、中間層をどうするかなぁ・・・と考えているころ、こういう時の引きは相変わらず強いわたし。Banco Popular という「みんなの銀行」(※私訳)の開発部の方が、なぜかこのタイミングで、市役所女性課を訪ねて来てくれました。「女性たちの支援のためにビジネスクラスを実施したい。」本当かいな?また、たまたまこの銀行の開発部のオフィスが、物理的に市役所から徒歩5分のところにあり、「詳細を聞きたい。」とその足で秘書Rosaを引き連れ、担当者の上司に会いに行きました。
まずは正確に説明をしなくてはいけないことがあります。「私たちは市役所です。1銀行と密着することは、できません。私たちは、既に御社競合のBanco Nacional(Banca Mujer)とのアライアンスを持っていて、ビジネスクラスを実施しています。」とお伝えすると、「それでも構わない。」と言うのです。聞くところによると、本銀行における実施目的は、融資対象者としての顧客拡大よりも、市民の底上げだ、と。素晴らしいビジョンではないですか。また、このクラスの特徴は下記2つ。
1)銀行員が直接クラスを実施すること
2)連携の経営学部学生がメンターとして、2~3名にひとりづつ付いてビジネスプランの作成をばっちりサポートすること
やらないわけが、ないでしょう。ただ、打ち合わせ先で、先方上司が盛り上がってしまい、「30名でも40名でも、やるぞー!」と大風呂敷を広げ始めてしまいました。担当の銀行員 Jeffery が困っている様子が見て取れ、私から「これは成功をしっかり形にすることの方が大切です。ここは大きく出るより、小さくても良いから、確実な成功ケースを作りましょう。ということで、今回は10名こちらで選抜します。ただし、成功したら、継続的に人を送ることをお約束します。」と話をしました。市役所に戻って早速のGoサインのもと、お会いしてからものの1カ月で、ビジネスクラスへの実現となりました。このクラスが・・・涙が出るほど本当に良いクラスでした。。
【選択肢2 Banco Popular 第1回目 実施内容】
・期間 2011年2~3月の7週間
・時間 毎週木曜日 午前8~12時(4時間) x 7週 = 28時間
・対象者 10名
・参加条件
-クレジット履歴がクリアでなくとも、商品の質が高いこと
-高校レベルの教育を受けていること
・実施母体 Banco Popular みんなの銀行
・実施場所 Sala de Banco Popular みんなの銀行 大会議室
・講師 Jeffery氏 みんなの銀行銀行員
・メンター 提携大学 経営学部学生3名
--------------------------------------------------------------------
これらをどう継続した仕組みに持って行ったか、は別途お伝えするとして、
とにかく分かったことは、この国は、ビジネスクラス=ビジネスプランの作成コースは、多くの機関が実施しています。しかし、他の部分のサポートは弱い、ということでした。試しに、PRONAMYPEに「そこまで予算が付いているなら、ビジネスクラスだけでなく、他のクラスも実施してみない?」と聞いてみたのですが、残念ながらこの予算はビジネスクラスのみに適用とのこと。残念。
例え、立派なビジネスプランだけが作成できても、経済自立へはちょっと遠いように思います。もっと意識的な変化に働きかけないと。市役所女性課の本プロジェクトPAEMとしては、総合的な支援体制を整えて行くことが目的です。そこで、不足分を市役所予算で実現できないか、の検討を始めました。
2)価値クラス Curso de Valoes
3)お金との付き合い方クラス Curso de Finanzas Sanas
4)自尊心クラス Curso de Auto Estima
5)法人登記・税金のワークショップ Taller de Registro de Negocios
続きはまた今度。
2011年7月20日水曜日
Anuncio: La Feria del Día de la Madre 母の日フェリアのご案内
やってきました、年に1度の母の日フェリア!今年はBanco Nacional(Banca Mujer)の協賛もしっかり取りつけ、昨年よりも大規模に行われる予定です。※コスタリカの母の日は8月15日です。
コスタリカ在住の皆様、必見です。 古くから在住の皆様、国連平和大学やコスタリカ大学等の学校へ留学に来ている学生さん、もちろんjicaボランティア・専門家・調整員・所長を初め関係者の皆様や、日本大使館関係者の皆様・・・。外国人やコスタリカ人のお友達にも声をかけて頂いて、是非いらしてください。
私が言うのもなんですが、はっきり言って、商品レベルは想像していらっしゃるより「ずっと高い」です。女性たち(おばちゃん達)を、あなどってはいけません。商品一例はこちらです。
もちろん、全ての商品、とは言いません。「これは売れません・・・。。」も、まだまだたくさんあります。その一方で、情を抜きにして、私は最近彼女たちから、普通に買い物しています。本当です。
この1年8か月足らずで、商品の質がぐんぐん上がって行きました。こんなに変わるものでしょうか・・・?あんなにひどかったのに。(汗 でも、当プロジェクトでは商品に対する直接アドバイスは1つも行っていません。代わりに、ちょっとだけ競争意識を刺激しています。現在、登録者が300名を越す中で、フェリア参加枠は70。争奪戦にしてみました。ただし。ここは市役所。銀行主催のフェリアではありません。そのため、底辺層・貧困層を支援することが、当プロジェクトの目的です。そこで、商品の質だけで参加権を与えるのではなく、当プロジェクトで実施しているビジネスクラス3種類(Banco Nacional主催:20時間、Banco Popular主催:28時間、PRONAMYPE(政府中小企業支援機構):60時間)のどれかに参加していることを条件としています。やる気のある人が、しっかり勉強をした上で、勝ち取れるようになっています。ビジネスクラスを受講した結果、「自分はプロだ。」というプロ意識を持つことになり、自然に商品の質向上へとつながりました。
そんな素敵な商品をあなたに。
ぜひ、コスタリカの女性たちの手作り商品、お求めになりませんか?
全て手作り Echo en Mano。世界でたった1つの商品です。
お土産に、日用品に。Multiplazaで買うなら、ここで買おう。絶好の機会があります。
当プロジェクトディレクターの私自らが、自信を持ってご案内させて頂きます。
多くのお客様が来場して下さること=皆様のお越しは、直接女性たちの自信につながります。
【市役所女性課PAEM主催 母の日フェリア】
日付: 8月5日(金)、6日(土)
時間: 各日午前9時~午後6時ごろまで
場所: セントラルパーク Parque Central en San José
出店予定数: 60名(60店舗)
商品内容: 全て手作り Echo en Mano 世界でたった1つの商品です。
・アクセサリー類 (ネックレス、ピアス、指輪 等)
・雑貨 (キーホルダー、携帯ストラップ 等)
・子ども用品 (乳児服、幼児服、ベッドリネン 等)
・衣類 (セーター、大きなサイズの洋服 等)
・手芸品 (バッグ、トイレ雑貨、タオル 等)
・化粧品 (クリーム、リップ、石鹸、エステ用品 等)
・食品 (ケーキ、パン 等) ←保健衛生の免状関係で少。
主催: サンホセ市役所女性課 PAEMプロジェクト
Proyecto Autonomía Económica para las Mujeres
協賛: 女性銀行(国立銀行) Banca Mujer de Banco Nacional
少し先の予定ですが、手帳の8月5・6日にはメモをお忘れずに。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
<サンホセ市役所女性課 PAEMプロジェクトスタッフ一同より>
コスタリカ在住の皆様、必見です。 古くから在住の皆様、国連平和大学やコスタリカ大学等の学校へ留学に来ている学生さん、もちろんjicaボランティア・専門家・調整員・所長を初め関係者の皆様や、日本大使館関係者の皆様・・・。外国人やコスタリカ人のお友達にも声をかけて頂いて、是非いらしてください。
私が言うのもなんですが、はっきり言って、商品レベルは想像していらっしゃるより「ずっと高い」です。女性たち(おばちゃん達)を、あなどってはいけません。商品一例はこちらです。
もちろん、全ての商品、とは言いません。「これは売れません・・・。。」も、まだまだたくさんあります。その一方で、情を抜きにして、私は最近彼女たちから、普通に買い物しています。本当です。
この1年8か月足らずで、商品の質がぐんぐん上がって行きました。こんなに変わるものでしょうか・・・?あんなにひどかったのに。(汗 でも、当プロジェクトでは商品に対する直接アドバイスは1つも行っていません。代わりに、ちょっとだけ競争意識を刺激しています。現在、登録者が300名を越す中で、フェリア参加枠は70。争奪戦にしてみました。ただし。ここは市役所。銀行主催のフェリアではありません。そのため、底辺層・貧困層を支援することが、当プロジェクトの目的です。そこで、商品の質だけで参加権を与えるのではなく、当プロジェクトで実施しているビジネスクラス3種類(Banco Nacional主催:20時間、Banco Popular主催:28時間、PRONAMYPE(政府中小企業支援機構):60時間)のどれかに参加していることを条件としています。やる気のある人が、しっかり勉強をした上で、勝ち取れるようになっています。ビジネスクラスを受講した結果、「自分はプロだ。」というプロ意識を持つことになり、自然に商品の質向上へとつながりました。
そんな素敵な商品をあなたに。
ぜひ、コスタリカの女性たちの手作り商品、お求めになりませんか?
全て手作り Echo en Mano。世界でたった1つの商品です。
お土産に、日用品に。Multiplazaで買うなら、ここで買おう。絶好の機会があります。
当プロジェクトディレクターの私自らが、自信を持ってご案内させて頂きます。
多くのお客様が来場して下さること=皆様のお越しは、直接女性たちの自信につながります。
【市役所女性課PAEM主催 母の日フェリア】
日付: 8月5日(金)、6日(土)
時間: 各日午前9時~午後6時ごろまで
場所: セントラルパーク Parque Central en San José
出店予定数: 60名(60店舗)
商品内容: 全て手作り Echo en Mano 世界でたった1つの商品です。
・アクセサリー類 (ネックレス、ピアス、指輪 等)
・雑貨 (キーホルダー、携帯ストラップ 等)
・子ども用品 (乳児服、幼児服、ベッドリネン 等)
・衣類 (セーター、大きなサイズの洋服 等)
・手芸品 (バッグ、トイレ雑貨、タオル 等)
・化粧品 (クリーム、リップ、石鹸、エステ用品 等)
・食品 (ケーキ、パン 等) ←保健衛生の免状関係で少。
主催: サンホセ市役所女性課 PAEMプロジェクト
Proyecto Autonomía Económica para las Mujeres
協賛: 女性銀行(国立銀行) Banca Mujer de Banco Nacional
少し先の予定ですが、手帳の8月5・6日にはメモをお忘れずに。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
<サンホセ市役所女性課 PAEMプロジェクトスタッフ一同より>
2011年7月18日月曜日
FIFA futbol femenina japonesa なでしこジャパン世界一!
昨日のなでしこジャパンの試合、すごかったですね・・・!!勇気と元気をいっぱいもらいました。在コスタリカ・日本大使館で働いている方のお宅に声をかけて頂いて、みんなで応援しました。コスタリカ時間では日曜日午後11時45分がキックオフで、お昼を食べながらのちょうど良い観戦時間。とっても楽しかったです。「日本人ってすごいんだな」と、改めて思いました。
サッカー大好きのこの国。今朝の新聞La Nacionにも、1面は小さくでしたが、中面でしっかり出ていました。朝出社したら同僚たちからも「おめでとう!!」の言葉をもらって。なんだかとっても誇らしい気分。わたしも頑張らなくちゃ。 女性はほんとに、強い!のだ。
コスタリカの今朝の新聞 La Nacion:Japón hizo historia con primer título mundialista(世界一のタイトルで日本は歴史を作った)
サッカー大好きのこの国。今朝の新聞La Nacionにも、1面は小さくでしたが、中面でしっかり出ていました。朝出社したら同僚たちからも「おめでとう!!」の言葉をもらって。なんだかとっても誇らしい気分。わたしも頑張らなくちゃ。 女性はほんとに、強い!のだ。
コスタリカの今朝の新聞 La Nacion:Japón hizo historia con primer título mundialista(世界一のタイトルで日本は歴史を作った)
2011年7月15日金曜日
Apoyo Internacionál 国際協力って、何だろう?
さて当サイトにおいて、私がサンホセ市役所女性課で担当している女性の経済自立・起業支援の仕事について書いていますが、私はこの場所に、日本国政府の技術協力(ボランティア)として来ました。しかし私は、ジェンダーや女性支援の知識もなければ、国際協力や開発学の知識も一切持ち合わせていません。確かに、何の因果か私は”政策・メディア”という修士号を持っていましたが、取得した1999年の時点では、後にこのような形で活用できる日が来るとは一切思っていませんでした。大学院修了の年、日本で若年層キャリア支援・自立支援に関する非営利の会社の立ち上げ10年間代表者をして来た、どちらかと言えば、現場たたき上げの人間です。「日本で10年間経営をして来たから、その区切りに、コスタリカのために仕事をしてみたい。」単純に、純粋に、その気持ちでボランティアというものを志願し、ここにやって来ました。
ところが、国際協力という分野は、世界的に見るとこれはこれでひとつの学問体系として成立していて、相当に奥が深いもののように思います。まるでパズルか知恵の輪です。発祥の元は、西洋のようです。英国にはその学問専門の大学院があると聞きました。国家間の利益、受け入れ現場の利益、個人の利益、・・・。そして、お金の出所は、あくまでも派遣元政府。その一方で、どこまでその本質が浸透されているのか分からない”草の根(末端現場)こそが大事”というスローガン。世界という大きな流れの中で、国家間レベルの全体像を理解した上で、現場でどう動くことが望まれているのかを把握し、その狭間で個人の満足を満たしつつも、あくまで”人のため・他国のため”に働く。私にとっては、知恵の輪です。”自分でお金を出して、この商品を買いました。”とは、全く違うレベルの欲望が絡んでいるように思えます。私は日本で12年前に非営利事業を立ち上げ、日本国内で「非営利の事業」というものを広める役割の一助を担って来たつもりです。ですので、この手の知恵の輪は他の人より比較的得意とするところだと思っていました。しかし、今回ひょんな事から関わることになった”国際協力”という知恵の輪は、今の私には、まだ解けません。その本質的な理解には達していないと思います。本業界2年目の、まだまだ若造です。
国際協力という言葉の中に、どこかしら、「一方が上で、他方が下。一方が他方に”教える”。」という上下の構造が存在しているように感じるのは、私だけではないと思います。極端な話、「知らないどこかの国の未開人に対して、既に発達している文明人が何かを”教える”。」という構造です。いかにも、西洋人が好きそうな枠組みです。しかし教育業界の人間である私は、「単なるダイバーシティー、人間の多様性の問題ではないのかな?」と考えていました。誰かが上・下というよりも、異なる考え方・違う考え方をする、という見方です。
ところが。異国の地で現地の人と共に生活をする・仕事をすることは、そう簡単な話ではないようです。実はこの政府技術協力ボランティアのプログラムに参加する際、「そのような(上・下の”教える”構造)潜在イメージとは、実は誰の中にも存在しているものなので、知らない国で仕事をする場合は、十分注意するように。」といった研修を受けていました。にも関わらず、自分の中にも知らず知らずに色眼鏡が存在していたことや、無言の圧力で語りかけてくる”政府側の供与ロジック”にも驚かされ、「本当に難しいな。。」と思いました。実際にやってみると、頭の中で考えていたこと・想像していたこととは異なることが、多々起きます。それは、外側からだけでなく、自分の内側からも、です。
それでも、その上でも、敢えて正直に申し上げます。日本で現場たたき上げの人間が、その支援先の現場スタッフと共に働いて得た”本当に求められていること”の感触と、この枠組みで政府側から求められているであろう役割には、大きな差があるように思いました。うまく言えないのですが・・・、何かがずれているように思います。幸か不幸か私が選んだ国は「コスタリカ」という既にかなり開発された中進国であり、こと女性の経済自立・起業支援においては、私の目から見れば日本より遥かに進んでいる国です。そのため、私自身の個人的な感触は「フルフルで働いても、同等に仕事できる。」というものでした。実際、本当にそうだと思います。彼らは十分に優秀です。
日本も戦後、世界銀行の支援を受けて、東海道新幹線を引き、高速道路を引き、いわゆる”国際協力”を受けて来た国だと言われています。たかが60年前の話です。その頃の先人たちは、一体どんな気持ちで”先に開発された国の人たち”から、技術を教わって来たのでしょうか? 以前読んだ、高杉良(著)「小説 日本興業銀行」の中に、日本が戦後どのように復興を遂げて来たのか、そのプロセスが克明に書かれていたように思います。特に、最初1・2巻だったと思います。戦後のGHQが入ってきた際に、日本政府の人間・興業銀行の人間が、GHQの様子を伺いながらどう事業を構築して行くのかが記されていて、大変興味深く読んだ覚えがあります。しかし、そこで読んだ物語と、今私が目の前で体感していることは、もちろん国も時代も全く違うので比べようもありませんが、異なる感覚を受けます。いや。つまり。日本が受けた国際協力の頃とは、とっくに時代は変わっているのです。
回りくどく、なりました。
一緒に仕事をさせてもらっている市役所スタッフ・銀行関係者・政府関係者は、十二分に優秀で、純粋に楽しくお仕事させてもらっています。私はしょっちゅう、彼らから叱られますし、ケンカもします。日本とは全く異なる文化の違いから、異なるモノの見方を教えてもらいます。日本国政府の技術協力ボランティアとしてこの場所に来ましたが、私にとってそれは、いち市役所スタッフとして、彼らと同じ目線に立ち、コスタリカ人スタッフと共に働くことだと思っていました。それが、現場が最も求めていることであり、彼らが喜んでくれることだと思ったからです。
例えば、とある企業に2年間限定の契約で人が入ってきたとして、「自分が去った後に、彼らだけでは継続できそうもない。」といった理由で仕事に対する姿勢を変えるとすれば、それはおかしな話だと思います。仕事の仕方・やり方というのは、どちらかというと経験知で、特に事業構築やプロジェクトマネジメントは体験を通じて学ぶものではないかと思います。あたかも、大工の棟梁のように。このことは、日本人だからとか、コスタリカ人だかとか、そこに国籍はあまり関係ないように思います。日本人も、異なる経験を持った人材を採用した場合、その人が持つ経験知をどうやって組織に定着させるか(=学ぶか)を考えれば、共に働き、やって見せてもらい、その背中から学ぶことになるはずです。期間限定であれば尚更、むしろ「しっかり、やって見せて下さい。」が、自然な流れではないでしょうか?
私は、人材の足りない市役所において、新規事業立ち上げスタッフとして、資金調達もすれば、事業の枠組みの構築も、他機関とのアライアンス構築もしています。私が居なくなった後もスタッフが継続できるよう、体制・予算・人材も整えるよう心がけて来ました。もちろん、私は期間限定の人間です。去った後に継続されなければ、意味がありません。だからこそ、2年間という限られた時間に、その後5カ年は続く事業体制を整えたいという思いで、仕事をして来ました。「やって見せる。」ことで、気がつくと彼らがその方法を学んでいた。できるようになっていた。そんな形が理想ではないかと、思ったからです。
これが、私なりの”2009年~2011年、中米小国コスタリカの首都サンホセ市役所における、日本国政府の技術協力ボランティア”という仕事の仕方です。国際協力という知恵の輪は複雑すぎて、一概に「こうだ」とは言えないと思っているので、期間・地域・その他限定で書かせてもらいました。私は、サンホセ市役所女性課のいちスタッフであることを、とても嬉しく思っています。
ところが、国際協力という分野は、世界的に見るとこれはこれでひとつの学問体系として成立していて、相当に奥が深いもののように思います。まるでパズルか知恵の輪です。発祥の元は、西洋のようです。英国にはその学問専門の大学院があると聞きました。国家間の利益、受け入れ現場の利益、個人の利益、・・・。そして、お金の出所は、あくまでも派遣元政府。その一方で、どこまでその本質が浸透されているのか分からない”草の根(末端現場)こそが大事”というスローガン。世界という大きな流れの中で、国家間レベルの全体像を理解した上で、現場でどう動くことが望まれているのかを把握し、その狭間で個人の満足を満たしつつも、あくまで”人のため・他国のため”に働く。私にとっては、知恵の輪です。”自分でお金を出して、この商品を買いました。”とは、全く違うレベルの欲望が絡んでいるように思えます。私は日本で12年前に非営利事業を立ち上げ、日本国内で「非営利の事業」というものを広める役割の一助を担って来たつもりです。ですので、この手の知恵の輪は他の人より比較的得意とするところだと思っていました。しかし、今回ひょんな事から関わることになった”国際協力”という知恵の輪は、今の私には、まだ解けません。その本質的な理解には達していないと思います。本業界2年目の、まだまだ若造です。
国際協力という言葉の中に、どこかしら、「一方が上で、他方が下。一方が他方に”教える”。」という上下の構造が存在しているように感じるのは、私だけではないと思います。極端な話、「知らないどこかの国の未開人に対して、既に発達している文明人が何かを”教える”。」という構造です。いかにも、西洋人が好きそうな枠組みです。しかし教育業界の人間である私は、「単なるダイバーシティー、人間の多様性の問題ではないのかな?」と考えていました。誰かが上・下というよりも、異なる考え方・違う考え方をする、という見方です。
ところが。異国の地で現地の人と共に生活をする・仕事をすることは、そう簡単な話ではないようです。実はこの政府技術協力ボランティアのプログラムに参加する際、「そのような(上・下の”教える”構造)潜在イメージとは、実は誰の中にも存在しているものなので、知らない国で仕事をする場合は、十分注意するように。」といった研修を受けていました。にも関わらず、自分の中にも知らず知らずに色眼鏡が存在していたことや、無言の圧力で語りかけてくる”政府側の供与ロジック”にも驚かされ、「本当に難しいな。。」と思いました。実際にやってみると、頭の中で考えていたこと・想像していたこととは異なることが、多々起きます。それは、外側からだけでなく、自分の内側からも、です。
それでも、その上でも、敢えて正直に申し上げます。日本で現場たたき上げの人間が、その支援先の現場スタッフと共に働いて得た”本当に求められていること”の感触と、この枠組みで政府側から求められているであろう役割には、大きな差があるように思いました。うまく言えないのですが・・・、何かがずれているように思います。幸か不幸か私が選んだ国は「コスタリカ」という既にかなり開発された中進国であり、こと女性の経済自立・起業支援においては、私の目から見れば日本より遥かに進んでいる国です。そのため、私自身の個人的な感触は「フルフルで働いても、同等に仕事できる。」というものでした。実際、本当にそうだと思います。彼らは十分に優秀です。
日本も戦後、世界銀行の支援を受けて、東海道新幹線を引き、高速道路を引き、いわゆる”国際協力”を受けて来た国だと言われています。たかが60年前の話です。その頃の先人たちは、一体どんな気持ちで”先に開発された国の人たち”から、技術を教わって来たのでしょうか? 以前読んだ、高杉良(著)「小説 日本興業銀行」の中に、日本が戦後どのように復興を遂げて来たのか、そのプロセスが克明に書かれていたように思います。特に、最初1・2巻だったと思います。戦後のGHQが入ってきた際に、日本政府の人間・興業銀行の人間が、GHQの様子を伺いながらどう事業を構築して行くのかが記されていて、大変興味深く読んだ覚えがあります。しかし、そこで読んだ物語と、今私が目の前で体感していることは、もちろん国も時代も全く違うので比べようもありませんが、異なる感覚を受けます。いや。つまり。日本が受けた国際協力の頃とは、とっくに時代は変わっているのです。
回りくどく、なりました。
一緒に仕事をさせてもらっている市役所スタッフ・銀行関係者・政府関係者は、十二分に優秀で、純粋に楽しくお仕事させてもらっています。私はしょっちゅう、彼らから叱られますし、ケンカもします。日本とは全く異なる文化の違いから、異なるモノの見方を教えてもらいます。日本国政府の技術協力ボランティアとしてこの場所に来ましたが、私にとってそれは、いち市役所スタッフとして、彼らと同じ目線に立ち、コスタリカ人スタッフと共に働くことだと思っていました。それが、現場が最も求めていることであり、彼らが喜んでくれることだと思ったからです。
例えば、とある企業に2年間限定の契約で人が入ってきたとして、「自分が去った後に、彼らだけでは継続できそうもない。」といった理由で仕事に対する姿勢を変えるとすれば、それはおかしな話だと思います。仕事の仕方・やり方というのは、どちらかというと経験知で、特に事業構築やプロジェクトマネジメントは体験を通じて学ぶものではないかと思います。あたかも、大工の棟梁のように。このことは、日本人だからとか、コスタリカ人だかとか、そこに国籍はあまり関係ないように思います。日本人も、異なる経験を持った人材を採用した場合、その人が持つ経験知をどうやって組織に定着させるか(=学ぶか)を考えれば、共に働き、やって見せてもらい、その背中から学ぶことになるはずです。期間限定であれば尚更、むしろ「しっかり、やって見せて下さい。」が、自然な流れではないでしょうか?
私は、人材の足りない市役所において、新規事業立ち上げスタッフとして、資金調達もすれば、事業の枠組みの構築も、他機関とのアライアンス構築もしています。私が居なくなった後もスタッフが継続できるよう、体制・予算・人材も整えるよう心がけて来ました。もちろん、私は期間限定の人間です。去った後に継続されなければ、意味がありません。だからこそ、2年間という限られた時間に、その後5カ年は続く事業体制を整えたいという思いで、仕事をして来ました。「やって見せる。」ことで、気がつくと彼らがその方法を学んでいた。できるようになっていた。そんな形が理想ではないかと、思ったからです。
これが、私なりの”2009年~2011年、中米小国コスタリカの首都サンホセ市役所における、日本国政府の技術協力ボランティア”という仕事の仕方です。国際協力という知恵の輪は複雑すぎて、一概に「こうだ」とは言えないと思っているので、期間・地域・その他限定で書かせてもらいました。私は、サンホセ市役所女性課のいちスタッフであることを、とても嬉しく思っています。
2011年7月13日水曜日
Caso Karla 2 Karlaさんのケース2
Caso Karla 1 Karlaさんのケース1、の続き。
2010年5月、Banco Nacional本社ビルの3階会議室で、Karlaさんは銀行担当者と私の前で、例のごとく泣き出し、例のごとく過去のストーリーを語り出しました。今まで相当苦しかったんだろうな、は確かに良く分かりました。しかし、そのドラマティックストーリーは解決には不要。銀行担当者も私も、「いや、その話はよいから。泣く時間があったら、解決しよう。あなたはラッキー。ここに辿り着いたのだから。この機会を必ず活かして。」
Karlaさん自身は既にcreditを大きく失っているため、直接、この国立銀行Banco Nacionalから更にお金を借りることはできません。どう解決できるのか?商品の製造プロセスについて聴いている時でした。「市内の6店舗に商品を卸しているとなれば、相応の数を作らなくてはいけないはずです。どうやって作っているんですか?」という話に及んだ時、「いとこも一緒に作っています。」という話が出ました。「彼女はどこかからお金を借りているの?」「いいえ。ありません。」そこを皮切りに、銀行担当者からとある提案が出ました。「では、そのいとこのが銀行から借ることができるなら、あなたの負債を一旦一括返済して清算することができる。ただし当然、彼女に対してあなたは、銀行への返済義務を負うことになる。つまり、彼女のcreditを借りて、低金利の国立銀行に借り換えて、一旦キレイに整理するという方法。飲めそうか?」Karlaさんからの返事は、”解決する道があるんだ”を知ったことによる大きな安堵もあってか、大泣きしながら即答で"Si.(yes)"を返していました。 「ん?いとこ本人の確認は取らなくて良いのか?」
解決の道筋が見えたので、私はその時点で市役所に戻りました。
「後は頼んだ。」「了解。」
信頼関係とは、こういう時間を経ることで、少しずつ構築されてくるものだと思います。
その後どうなったか。
国立銀行も、もちろんバカではない。既に7件のcreditの失敗実績があり、返済裁判を起こされている相手です。開発部を通じて融資窓口に通された彼女は、最終的に「まずは研修を受けてもらう。実際の融資は、その結果を診てから。」という条件を出されました。「ただしその研修費用は、銀行持ちで行う。」と。私の目から見れば”至れり尽くせりじゃないか。”でしたが、今思うと、彼女はもうその時点で相当に切羽詰まった状態だったのかもしれません。
この話が行われていた2010年6月Banco Nacional側は、ちょうど開発部だけが独立した女性銀行Banca Mujerをまさにオープンする直前でした。新オープン用のプロモーション予算が、いくばくかあったのではないでしょうか。開発部担当者(=Banca Mujer担当者)は「本予算を、市役所女性課の”シングルマザーで貧困状態にある女性たち”の研修費として充てよう。」と考えてくれました。それは、ありがたいことに私yukariを信頼してくれていたから、実現に動いた話でした。私のところに電話がありました。「費用銀行持ちで、ビジネスクラスを実施する。対象女性を20名集めて欲しい。そこにKarlaを入れる。ただし、他の女性たちはcreditがクリアであることが条件。理由は、研修の後に融資対象の候補にするから。将来的に研修費用分を回収したい。」
電話をもらった時、私は「それはグッドアイディアじゃないか!」と思いました。市役所に来る”シングルマザーで貧困状態にあり、教育レベルの低い女性たち”を国立銀行が支援する。素敵なアイディアです。試してみる、価値はある。早速、女性課課長に話をすると、「Banco Nacionalは女性課を信用してなかったんじゃないのか?そんなことがあり得るのか?」と、とても驚いていました。「大丈夫だから。やる。私が話をまとめるから。」
女性銀行と市役所女性課のアライアンス実現に向けた具体的な準備においては、銀行担当者から1点、重要な確認事項が提示されました。「これは銀行にとって投資に当たる。だから、この費用で研修した女性たちを、研修後に他銀行に渡すことはできない。人の手配を市役所が行う以上、女性課課長もしっかりこのことを理解しておいてもらわないと困る。コミットできるか?」 私の目から見れば、その条件は当然のことでしたので、「もちろんです。市役所側は、登録者女性たちをグループ化して扱い、他銀行と関係を持つ人間と混同しないよう取り扱います。」と約束をしました。
これは、市役所が、市役所外機関の予算を使ったアライアンスや協賛を実現する上で、とても大事なポイントになるので、女性課課長にその点を何度も説明しました。「市役所の女性たちを、他の機関の予算を使って支援を行う。うちの金じゃない。だから、協賛を受ける人たちにその説明をしっかりする必要があるし、市役所スタッフもちゃんと理解しておかなければいけない。当然、市役所スタッフは登録者を混同しないよう、十分気を付けて(女性たちのグループ化を)扱う必要がある。」ソーシャルワーカーである女性課課長は、正直を言えば、「何となく分かるけれど、それが実際にどういう状況を生むのかは、良く分かりません。」といった状態でした。まぁ良い。順番にやっていきましょう。準備が整ったところで、2010年8月プロジェクトに登録していた150名から、残りの19名の女性選抜を行いました。
2010年9月、女性銀行x市役所女性課の研修アライアンスが本格的に始まりました。12月までの4ヶ月間、80時間に及ぶビジネスクラスを、20名の女性に対して実施します。その研修内容は、8年前にTECNOMYPE(政府中小企業技術支援機構)がBID(Banco de Interamercano Desarrollo:中央アメリカ開発銀行)の出資により製作したもので、今回採用されたコースは ¿Cómo lograr el éxito en mi empresa? (どのように私の会社を成功させるか?)の80時間でした。実施主体は、Fundación Omar Dengoという財団。つまり、Banca Mujer(Banco Nacional)はお金を出すだけの、完全外注です。
いずれにせよ、その時の私は「こんなことが実現するなんて!」と新しいことが生み出されるエネルギーの中で、ワクワクしていました。
ところが。Karlaさんはこの研修期間中の11月、Banco Nacionalの競合銀行であるBanco Popularを訪ねていました。私には一切何も知らせずに。きっと、待ってはいられない状態にあったのでしょう。そして、同様の状況説明をBanco Popularにしただけでなく、Banco Nacionalから提案された解決方法、つまり”いとこのcrediを通じて低金利に借り換える事”を、彼女の口から伝えていました。その後、後に市役所女性課ともアライアンスを結ぶことになるBanco Popularは、競合銀行の国内最大手Banco Nacionalより少しだけ安い金利を提示し、Karlaさんとそのいとこはそれを飲み、2011年1月Karlaさんのいとこに対する融資が実施されました。
「事前に一言、相談してくれれば良かったのに・・・。。。」
後に知った時、びっくりし過ぎて顎が外れそうになりながら、そう思いましたが、既に後の祭り。
問題は、Banco Nacionalと、市役所女性課というより私yukari、の関係です。
私が紹介をして相談をお願いしたKarlaさんであり、私に対する信頼の元で実現したアライアンスです。責任は、私にあります。
続きはまた次回。
2010年5月、Banco Nacional本社ビルの3階会議室で、Karlaさんは銀行担当者と私の前で、例のごとく泣き出し、例のごとく過去のストーリーを語り出しました。今まで相当苦しかったんだろうな、は確かに良く分かりました。しかし、そのドラマティックストーリーは解決には不要。銀行担当者も私も、「いや、その話はよいから。泣く時間があったら、解決しよう。あなたはラッキー。ここに辿り着いたのだから。この機会を必ず活かして。」
Karlaさん自身は既にcreditを大きく失っているため、直接、この国立銀行Banco Nacionalから更にお金を借りることはできません。どう解決できるのか?商品の製造プロセスについて聴いている時でした。「市内の6店舗に商品を卸しているとなれば、相応の数を作らなくてはいけないはずです。どうやって作っているんですか?」という話に及んだ時、「いとこも一緒に作っています。」という話が出ました。「彼女はどこかからお金を借りているの?」「いいえ。ありません。」そこを皮切りに、銀行担当者からとある提案が出ました。「では、そのいとこのが銀行から借ることができるなら、あなたの負債を一旦一括返済して清算することができる。ただし当然、彼女に対してあなたは、銀行への返済義務を負うことになる。つまり、彼女のcreditを借りて、低金利の国立銀行に借り換えて、一旦キレイに整理するという方法。飲めそうか?」Karlaさんからの返事は、”解決する道があるんだ”を知ったことによる大きな安堵もあってか、大泣きしながら即答で"Si.(yes)"を返していました。 「ん?いとこ本人の確認は取らなくて良いのか?」
解決の道筋が見えたので、私はその時点で市役所に戻りました。
「後は頼んだ。」「了解。」
信頼関係とは、こういう時間を経ることで、少しずつ構築されてくるものだと思います。
その後どうなったか。
国立銀行も、もちろんバカではない。既に7件のcreditの失敗実績があり、返済裁判を起こされている相手です。開発部を通じて融資窓口に通された彼女は、最終的に「まずは研修を受けてもらう。実際の融資は、その結果を診てから。」という条件を出されました。「ただしその研修費用は、銀行持ちで行う。」と。私の目から見れば”至れり尽くせりじゃないか。”でしたが、今思うと、彼女はもうその時点で相当に切羽詰まった状態だったのかもしれません。
この話が行われていた2010年6月Banco Nacional側は、ちょうど開発部だけが独立した女性銀行Banca Mujerをまさにオープンする直前でした。新オープン用のプロモーション予算が、いくばくかあったのではないでしょうか。開発部担当者(=Banca Mujer担当者)は「本予算を、市役所女性課の”シングルマザーで貧困状態にある女性たち”の研修費として充てよう。」と考えてくれました。それは、ありがたいことに私yukariを信頼してくれていたから、実現に動いた話でした。私のところに電話がありました。「費用銀行持ちで、ビジネスクラスを実施する。対象女性を20名集めて欲しい。そこにKarlaを入れる。ただし、他の女性たちはcreditがクリアであることが条件。理由は、研修の後に融資対象の候補にするから。将来的に研修費用分を回収したい。」
電話をもらった時、私は「それはグッドアイディアじゃないか!」と思いました。市役所に来る”シングルマザーで貧困状態にあり、教育レベルの低い女性たち”を国立銀行が支援する。素敵なアイディアです。試してみる、価値はある。早速、女性課課長に話をすると、「Banco Nacionalは女性課を信用してなかったんじゃないのか?そんなことがあり得るのか?」と、とても驚いていました。「大丈夫だから。やる。私が話をまとめるから。」
女性銀行と市役所女性課のアライアンス実現に向けた具体的な準備においては、銀行担当者から1点、重要な確認事項が提示されました。「これは銀行にとって投資に当たる。だから、この費用で研修した女性たちを、研修後に他銀行に渡すことはできない。人の手配を市役所が行う以上、女性課課長もしっかりこのことを理解しておいてもらわないと困る。コミットできるか?」 私の目から見れば、その条件は当然のことでしたので、「もちろんです。市役所側は、登録者女性たちをグループ化して扱い、他銀行と関係を持つ人間と混同しないよう取り扱います。」と約束をしました。
これは、市役所が、市役所外機関の予算を使ったアライアンスや協賛を実現する上で、とても大事なポイントになるので、女性課課長にその点を何度も説明しました。「市役所の女性たちを、他の機関の予算を使って支援を行う。うちの金じゃない。だから、協賛を受ける人たちにその説明をしっかりする必要があるし、市役所スタッフもちゃんと理解しておかなければいけない。当然、市役所スタッフは登録者を混同しないよう、十分気を付けて(女性たちのグループ化を)扱う必要がある。」ソーシャルワーカーである女性課課長は、正直を言えば、「何となく分かるけれど、それが実際にどういう状況を生むのかは、良く分かりません。」といった状態でした。まぁ良い。順番にやっていきましょう。準備が整ったところで、2010年8月プロジェクトに登録していた150名から、残りの19名の女性選抜を行いました。
2010年9月、女性銀行x市役所女性課の研修アライアンスが本格的に始まりました。12月までの4ヶ月間、80時間に及ぶビジネスクラスを、20名の女性に対して実施します。その研修内容は、8年前にTECNOMYPE(政府中小企業技術支援機構)がBID(Banco de Interamercano Desarrollo:中央アメリカ開発銀行)の出資により製作したもので、今回採用されたコースは ¿Cómo lograr el éxito en mi empresa? (どのように私の会社を成功させるか?)の80時間でした。実施主体は、Fundación Omar Dengoという財団。つまり、Banca Mujer(Banco Nacional)はお金を出すだけの、完全外注です。
いずれにせよ、その時の私は「こんなことが実現するなんて!」と新しいことが生み出されるエネルギーの中で、ワクワクしていました。
ところが。Karlaさんはこの研修期間中の11月、Banco Nacionalの競合銀行であるBanco Popularを訪ねていました。私には一切何も知らせずに。きっと、待ってはいられない状態にあったのでしょう。そして、同様の状況説明をBanco Popularにしただけでなく、Banco Nacionalから提案された解決方法、つまり”いとこのcrediを通じて低金利に借り換える事”を、彼女の口から伝えていました。その後、後に市役所女性課ともアライアンスを結ぶことになるBanco Popularは、競合銀行の国内最大手Banco Nacionalより少しだけ安い金利を提示し、Karlaさんとそのいとこはそれを飲み、2011年1月Karlaさんのいとこに対する融資が実施されました。
「事前に一言、相談してくれれば良かったのに・・・。。。」
後に知った時、びっくりし過ぎて顎が外れそうになりながら、そう思いましたが、既に後の祭り。
問題は、Banco Nacionalと、市役所女性課というより私yukari、の関係です。
私が紹介をして相談をお願いしたKarlaさんであり、私に対する信頼の元で実現したアライアンスです。責任は、私にあります。
続きはまた次回。
2011年7月11日月曜日
Caso Karla 1 Karlaさんのケース1
さて。改めて言うほどのことでもありませんが、私はここで山のような失敗を経験しています。どれもこれも、”ここに到着するまでのプロセス”と言えるものなので、基本的には「失敗は最大の勲章。」と思うようにしています。その中に1件、明らかに「このケースは大変に良い勉強になった。」と思っているものがあります。これは、ソーシャルな仕事、もしくは、この手の経済自立・起業支援の仕事において良く起こりがちだと思うため、書き留めておきたいと思います。
コスタリカに来てすぐの2009年11月の時点で、女性課は忙し過ぎて女性の経済自立・起業支援へは全く手が回らず、何よりスタッフのプロジェクトに対するモチベーションもそこまで高くは無いことが分かり、「果たしてこのプロジェクトは本当に必要とされているのだろうか?」という疑念の気持ちで居ました。それを拭い去るべく、120名の女性たちを対象としたアンケート実施してそのニーズの高さと必要性を確認し、同時に、市役所の外へ足を運べば運ぶほど女性の経済自立・起業支援に関するサービスが既に整っていることを知ったことで、「上も下も揃っている。ボトルネックは市役所にある。」を確信するに至り、ちょうど「よし。ぶつかることを覚悟で、切り込む。」と覚悟を決めた、2010年3月頃です。
120名のアンケート対象者の中に、圧倒的な金銭感覚・ビジネス感覚を持った人が居ました。名前はKarlaさん。6名の子どもをシングルで育てていて、子どもたちには誰も明確な父親が存在していませんでした。想像してみてください。6名の子どもを、たった一人で育てている30代後半の女性を。「とんでもないな。。」と思いました。何より、彼女の製品が素晴らしかった。彼女は自宅で、子ども用ベッドリネンを中心とした商品を製造していました。2010年3月の時点で、サンホセ市内の6店舗に直接商品を卸していました。そのため、アンケートの回答内容(特に、月平均家計簿と、ビジネスの月平均収支)は、他の女性たちとは異なるレベルで書かれていました。「これだけきちんと売れるものを持っていれば、可能性は大きいだろう。」そう感じた私は、単純に、サポートしたいと、思いました。
彼女に直接電話をし、「話をしたいから、女性課に商品をいくつか持ってきて下さい。」と伝えたところ、彼女は大喜びでやって来てくれました。それは私にとって、彼女個人の話を聞くだけでなく、市役所の対象女性たちがどういう状況にあるのかを知る良い機会になるだろうと考えていました。全体だけでなく、個々のケースも知っておきたい、と。「どんなことに困っているのですか?」話を進めるうちに、彼女は泣き出し、今までの人生がどれほど苦労に満ち溢れたものであったかを語り始めました。それはそれは大変にドラマチックなものであり、聞いている側も「確かにそれは大変だ・・・。」と思う内容でした。
少しづつ全貌が見えてくると、彼女は数か所の銀行以外の金融機関からの負債、総額1,300,000₡ = 2,600$(元本) を持っていました。この額は、コスタリカのシングルマザー個人ひとりが抱えている額としては、とても大きなものです。十年以上前に借りたものが5件、5年前前後に借りたものが2件。彼女は返済に関する訴えの裁判を起こされていました。しかし、「こんなに高い利子は不当だ。」として、裁判に臨むことを拒否していました。この問題を、「どうすれば解決できる?助けてほしい。」と相談されました。
私は、「まずは、どこからいくら借りて来ていて、どういうプランで返済することになっているのか、整理した方が良い。契約時に、書面で返済計画が書かれた契約書を受け取っているはずだから、それをしっかり読み直しなさい。」と伝えました。ところが彼女によると、「コスタリカでは、借りた側は契約書というのはもらえない。貸し手側が持っているだけだ。手元には無い。だからこっちは事情が分からない。」と言うのです。「そんなはずは無いでしょう。探しなさい。」そう伝えました。しかし、「無い物は無い。」と真剣に言っている。その目を見ると、どうも嘘ではないらしい。そこで、近くの市役所スタッフに「金銭貸与関係がある金融機関から、契約書を受け取らないなんてことがあるのか?」と聞いたところ、「その可能性は全くゼロとは言えない。」と言われました。?!それはびっくりだ。「そうか・・・。これも文化の違いと言えるのだろうか・・・。いや、でも、あり得ない・・・。。」と思いつつ、再度話をすることにしました。
「気がつくと裁判所から文書が送りつけられて来て、(彼女にとっては)明らかに不当の利子が付いた金額の返済義務があると迫られている。」と。もはやその真意を問うには、借し出した金融機関に直接問い合わせるしか道はありません。「では、全ての関係ある金融機関に直接電話をして、問い合わせて、しっかり確認をしなさい。一体、”今現在の時点で”いくらの負債があって、いつまでに返さなくちゃいけないのかを。まずはそこを正確に把握できなかったら、解決方法を探したくても、探せません。」1週間後、彼女が持ってきた回答は「電話したら(その金融機関に)捕まってしまう。怖くてかけられなかった。」
参ったな、と。
「利子が不当な額だ。」と言いたくなる額を突き付けられている、という点は、何となく理解していました。というのは、毎朝読む新聞の折り込み広告を見ていたからです。パソコン等の電化製品や少々価格の高い商品には、一括払いと分割払いの2種類による購入金額が書いてあります。その額が、日本では考えられない程(一括払いの3~4倍)高いからです。「だったら待って買おうよ。。」日本人の感覚であれば、明らかにそう判断するように思います。「そこまで待てないの?」と言いたくなりますが・・・話を戻すと、ということは、銀行以外の金融機関からお金を借りたとなれば、それはそれは相当な利子額に違いません。
しかし私は、弁護士でもなければ、公認会計士でもありません。何より、コスタリカの法律事情は良く分かりません。こういう時は、その専門の人間に相談する、に限ります。そこで、「私には分からなないので、専門の人間に相談しましょう。」と答えました。ただし、その段階では、私には現地の信頼できる弁護士がいなかったため、当時ちょうど市役所とのアライアンスの実現に向けて話が進み始めていたBanco Nacional開発部の担当者に電話をし、相談しました。「困っている女性が居る。彼女は大変に良い商品を製造している。返済能力は皆無ではないと思う。しかし現状、金銭的理由から弁護士を付けることができない。対応してもらえないか?」「了解。yukariの相談なら受ける。回してくれ。」アポを取り、市内中心地に立つBanco Nacionalの本社ビル3階の開発部会議室で、Karlaさん、銀行担当者と私の3名が集まったのは2010年5月頭でした。
続きは、Caso Karla 2 Karlaさんのケース2 へ。
コスタリカに来てすぐの2009年11月の時点で、女性課は忙し過ぎて女性の経済自立・起業支援へは全く手が回らず、何よりスタッフのプロジェクトに対するモチベーションもそこまで高くは無いことが分かり、「果たしてこのプロジェクトは本当に必要とされているのだろうか?」という疑念の気持ちで居ました。それを拭い去るべく、120名の女性たちを対象としたアンケート実施してそのニーズの高さと必要性を確認し、同時に、市役所の外へ足を運べば運ぶほど女性の経済自立・起業支援に関するサービスが既に整っていることを知ったことで、「上も下も揃っている。ボトルネックは市役所にある。」を確信するに至り、ちょうど「よし。ぶつかることを覚悟で、切り込む。」と覚悟を決めた、2010年3月頃です。
120名のアンケート対象者の中に、圧倒的な金銭感覚・ビジネス感覚を持った人が居ました。名前はKarlaさん。6名の子どもをシングルで育てていて、子どもたちには誰も明確な父親が存在していませんでした。想像してみてください。6名の子どもを、たった一人で育てている30代後半の女性を。「とんでもないな。。」と思いました。何より、彼女の製品が素晴らしかった。彼女は自宅で、子ども用ベッドリネンを中心とした商品を製造していました。2010年3月の時点で、サンホセ市内の6店舗に直接商品を卸していました。そのため、アンケートの回答内容(特に、月平均家計簿と、ビジネスの月平均収支)は、他の女性たちとは異なるレベルで書かれていました。「これだけきちんと売れるものを持っていれば、可能性は大きいだろう。」そう感じた私は、単純に、サポートしたいと、思いました。
彼女に直接電話をし、「話をしたいから、女性課に商品をいくつか持ってきて下さい。」と伝えたところ、彼女は大喜びでやって来てくれました。それは私にとって、彼女個人の話を聞くだけでなく、市役所の対象女性たちがどういう状況にあるのかを知る良い機会になるだろうと考えていました。全体だけでなく、個々のケースも知っておきたい、と。「どんなことに困っているのですか?」話を進めるうちに、彼女は泣き出し、今までの人生がどれほど苦労に満ち溢れたものであったかを語り始めました。それはそれは大変にドラマチックなものであり、聞いている側も「確かにそれは大変だ・・・。」と思う内容でした。
少しづつ全貌が見えてくると、彼女は数か所の銀行以外の金融機関からの負債、総額1,300,000₡ = 2,600$(元本) を持っていました。この額は、コスタリカのシングルマザー個人ひとりが抱えている額としては、とても大きなものです。十年以上前に借りたものが5件、5年前前後に借りたものが2件。彼女は返済に関する訴えの裁判を起こされていました。しかし、「こんなに高い利子は不当だ。」として、裁判に臨むことを拒否していました。この問題を、「どうすれば解決できる?助けてほしい。」と相談されました。
私は、「まずは、どこからいくら借りて来ていて、どういうプランで返済することになっているのか、整理した方が良い。契約時に、書面で返済計画が書かれた契約書を受け取っているはずだから、それをしっかり読み直しなさい。」と伝えました。ところが彼女によると、「コスタリカでは、借りた側は契約書というのはもらえない。貸し手側が持っているだけだ。手元には無い。だからこっちは事情が分からない。」と言うのです。「そんなはずは無いでしょう。探しなさい。」そう伝えました。しかし、「無い物は無い。」と真剣に言っている。その目を見ると、どうも嘘ではないらしい。そこで、近くの市役所スタッフに「金銭貸与関係がある金融機関から、契約書を受け取らないなんてことがあるのか?」と聞いたところ、「その可能性は全くゼロとは言えない。」と言われました。?!それはびっくりだ。「そうか・・・。これも文化の違いと言えるのだろうか・・・。いや、でも、あり得ない・・・。。」と思いつつ、再度話をすることにしました。
「気がつくと裁判所から文書が送りつけられて来て、(彼女にとっては)明らかに不当の利子が付いた金額の返済義務があると迫られている。」と。もはやその真意を問うには、借し出した金融機関に直接問い合わせるしか道はありません。「では、全ての関係ある金融機関に直接電話をして、問い合わせて、しっかり確認をしなさい。一体、”今現在の時点で”いくらの負債があって、いつまでに返さなくちゃいけないのかを。まずはそこを正確に把握できなかったら、解決方法を探したくても、探せません。」1週間後、彼女が持ってきた回答は「電話したら(その金融機関に)捕まってしまう。怖くてかけられなかった。」
参ったな、と。
「利子が不当な額だ。」と言いたくなる額を突き付けられている、という点は、何となく理解していました。というのは、毎朝読む新聞の折り込み広告を見ていたからです。パソコン等の電化製品や少々価格の高い商品には、一括払いと分割払いの2種類による購入金額が書いてあります。その額が、日本では考えられない程(一括払いの3~4倍)高いからです。「だったら待って買おうよ。。」日本人の感覚であれば、明らかにそう判断するように思います。「そこまで待てないの?」と言いたくなりますが・・・話を戻すと、ということは、銀行以外の金融機関からお金を借りたとなれば、それはそれは相当な利子額に違いません。
しかし私は、弁護士でもなければ、公認会計士でもありません。何より、コスタリカの法律事情は良く分かりません。こういう時は、その専門の人間に相談する、に限ります。そこで、「私には分からなないので、専門の人間に相談しましょう。」と答えました。ただし、その段階では、私には現地の信頼できる弁護士がいなかったため、当時ちょうど市役所とのアライアンスの実現に向けて話が進み始めていたBanco Nacional開発部の担当者に電話をし、相談しました。「困っている女性が居る。彼女は大変に良い商品を製造している。返済能力は皆無ではないと思う。しかし現状、金銭的理由から弁護士を付けることができない。対応してもらえないか?」「了解。yukariの相談なら受ける。回してくれ。」アポを取り、市内中心地に立つBanco Nacionalの本社ビル3階の開発部会議室で、Karlaさん、銀行担当者と私の3名が集まったのは2010年5月頭でした。
続きは、Caso Karla 2 Karlaさんのケース2 へ。
2011年7月8日金曜日
Reunión Mensual 月例会議
今日はここ最近の現場から。先週木曜日は、プロジェクト主催の毎月の定例会議が行われました。相変わらず、盛り上がっています。
最初に確認。本プロジェクトは3本柱から成っています。
1.情報提供 Información
2.研修 Capacitación
3.販売機会 Promoción
定例会議はこの1番目の柱、情報提供の中の1つです。私たちは毎月第一木曜日の午後1時半~5時まで実施しています。月に1度全員で集まり、近々実施されるクラス(2.研修)やフェリア(3.販売機会)の予定を発表したり、既に成功している女性起業家やモチベドーラと呼ばれる講師の方々をお招きして、経済自立に向けてのモチベーションアップとその確認を行っています。この毎月1度の会合が、既に300名を超す登録者たちを一括してまとめる場でもあり、実際に顔を合わせて「はい、みなさん、こっちに行きますよー!」というビジョンを明確に共有する場所でもあります。つまり、この定例会議がプロジェクトの求心力になります。
この定例会議は、私がここで仕事を始めて間もない2010年2月から、毎月1度欠かさず実施して来ました。今回で16回目を迎えました。第1回目の参加者は15名。それが、先週木曜日の16回目には98名!もの女性たちが集まり(5階講堂の底が抜けるかと思った・・・)、そのニーズと人気の高さを改めて確認しました。300名の登録者のうち3分の1が、その情報を得ようと自分の意志で、実際に市役所まで足を運んでくれたことになります。これはとても大事なことです。
でも、実は話は非常に単純で。彼女たちが「自分の貴重な時間を割いて参加するだけの価値がある」と判断してもらえる会議を、提供できるかどうかという話。そのため、市役所スタッフは常々「次回の定例会議は、何をしたら面白いだろう?来る価値がある、と思ってもらえるだろう?」を頭をひねって考えています。
本気のサービスを提供するから、相手も本気になれる。自然な流れです。ちなみに、本当は入場料を取りたいくらいなんです。というか、入場料を取っても人が集まる内容を提供する必要がある。でも、そこを無料で提供できることが、市役所の事業として実施している最大メリットです。でも逆に”無料だからこそ”、本当に来るかどうかは、彼女たちの意志にかかっていると感じています。それを引き出せるかどうかは、明らかに、導く側(市役所スタッフ)の責任。決して簡単なことでは、ないけれど。
定期的に全員が集まる定例会議を実施することのメリットは、計り知れないほどあります。
1)スタッフ・女性たちの顔を合わせられる、各々の状況を確認できる(連続して参加しなかった人には、スタッフ側が「何かあったかな?」と気をかけられる)
2)市役所側から情報を発信できる=市役所内におけるプロジェクト状況を常にお伝えできる(予算が取れた、次はこれが実施される、市長が賛同している、等)<ビジョン共有>
3)毎月第一木曜日と決めて定期的に実施するため、来月はいつ・再来月はいつ、と全員で実施日の情報共有がしやすい(1回逃しても、次がいつか、既に分かっている)
4)毎月1度モチベーションアップを行い続けることで、気を抜くと下がってしまう女性たちの経済自立へのモチベーションを維持する、維持できる
5)皆で商品を持ち寄り見せ合うことで、お互いで影響を受け合い、自分の商品レベルアップにつながる
6)実際に女性たちの商品を、その場で買える・売れる
7)女性たち同士で情報交換ができる、経済自立に向けた仲間・友達ができる
8)「お招きする」という形で関係者を巻き込める、彼らに”お話して頂く機会”を提供できる=彼らのコミットメントを増やせる→次なるアライアンスへの足がかりになる。
9)・・・
いくらでもあります。
ということで、例として7月7日に実施した16回目の定例会議、実際のhorario スケジュールを下記にご紹介致します。盛りだくさんですよ。このレベルの内容を毎月続けること=確実に提供し続けることは、市民(女性たち)のモチベーションアップ・レベルアップのために、とても大切。みなさんが楽しんで足を運んでくれるような場を、ご提供できればと思っています。
-------------------------------------------------------------
定例会議#16 PAEM
女性の経済自立・起業支援プロジェクト
自分の足で立とう!経済自立へのモチベーションをアップしよう!
※あなたの商品をいくつかお持ちください。
-------------------------------------------------------------
第16回PAEM定例会議 2011年7月7日のアジェンダ
1:30 pm 参加者受付
1:45 pm 女性課課長からの挨拶
女性課課長 Vivian Villavicencio氏
2:00 pm 講義: 起業家育成の重要性
PRONAMYPE(政府中小起業支援プログラム)講師 Flora Marìa Calvo Abarca氏
3:00 pm 皆様への言葉
サンホセ市長アシスタント Victorino Venegas Asistente氏
3:10 pm PAEMプロジェクトの構造と、8月に実施するPAEM第1回卒業式について
PAEMプロジェクトディレクター Yukari Shibuya
3:50 pm 歌: 創造者への賛辞
歌手 Evoney Rojas氏
4:00 pm 講義: 女性起業家へのポテンシャル(潜在能力)のための個人強化
女性課スタッフ Wendy Barquero González氏
4:30 pm 各種情報
- 新規登録者の日 7月14日午後2時 女性課オフィスにて。新しく登録したい方は、商品をお持ちの上お越しください。
- 研修クラスについて
1, 現在実施中の、女性銀行・みんなの銀行・PRONAMYPEにおけるビジネスクラスについて
2, 会社の登記方法ワークショップ 大蔵省主催 7月12日1時、市役所研修ルーム2番教室
3, 新参加者向け ULICORI大学学生主催 女性の経済自立への導入クラス 7月14日午前10時開始
4:45 pm おわりに
PAEMプロジェクトディレクター Yukari Shibuya
※配布用紙にご相談内容、感想などをご記入ください。皆さんの声は私たちにとってとても大切なご意見です。
5:00 pm 軽食
次回の定例会議#17 は、9月8日午後1時半から、5階講堂にて。
注意:8月は第1回PAEM卒業式のため、定例会議は行いません。招待者(120名)のみ参加できます。
-------------------------------------------------------------------------
※2011年7月7日実施 第16回定例会議の様子 すごい人・・・!
※今回は特別ゲストとして歌を歌ってくださる方をお招きしました。感動して泣いている女性もチラホラ・・・
※主催側の女性課スタッフ この3名+秘書と私の5名。受付対応中にパチリ。
※コスタリカは会合の後、refrigerio と呼ばれる軽食を必ず出します。100名分の軽食は・・・圧巻。
※会議は4時間半にも及ぶため、その後の団らんはとても大切な時間。様々な情報交換を行っているようです。
※「食事が足りないから子どもは連れてこないで下さい!」といくらお願いしても、相手はシングルマザー。研修の間、保育所が必要。。限られた予算の中で実施している私たちにとっては、これは切実な問題です。
※スタッフは机をいくつか用意して、皆が持ち合った商品を販売できるようにしています。
最初に確認。本プロジェクトは3本柱から成っています。
1.情報提供 Información
2.研修 Capacitación
3.販売機会 Promoción
定例会議はこの1番目の柱、情報提供の中の1つです。私たちは毎月第一木曜日の午後1時半~5時まで実施しています。月に1度全員で集まり、近々実施されるクラス(2.研修)やフェリア(3.販売機会)の予定を発表したり、既に成功している女性起業家やモチベドーラと呼ばれる講師の方々をお招きして、経済自立に向けてのモチベーションアップとその確認を行っています。この毎月1度の会合が、既に300名を超す登録者たちを一括してまとめる場でもあり、実際に顔を合わせて「はい、みなさん、こっちに行きますよー!」というビジョンを明確に共有する場所でもあります。つまり、この定例会議がプロジェクトの求心力になります。
この定例会議は、私がここで仕事を始めて間もない2010年2月から、毎月1度欠かさず実施して来ました。今回で16回目を迎えました。第1回目の参加者は15名。それが、先週木曜日の16回目には98名!もの女性たちが集まり(5階講堂の底が抜けるかと思った・・・)、そのニーズと人気の高さを改めて確認しました。300名の登録者のうち3分の1が、その情報を得ようと自分の意志で、実際に市役所まで足を運んでくれたことになります。これはとても大事なことです。
でも、実は話は非常に単純で。彼女たちが「自分の貴重な時間を割いて参加するだけの価値がある」と判断してもらえる会議を、提供できるかどうかという話。そのため、市役所スタッフは常々「次回の定例会議は、何をしたら面白いだろう?来る価値がある、と思ってもらえるだろう?」を頭をひねって考えています。
本気のサービスを提供するから、相手も本気になれる。自然な流れです。ちなみに、本当は入場料を取りたいくらいなんです。というか、入場料を取っても人が集まる内容を提供する必要がある。でも、そこを無料で提供できることが、市役所の事業として実施している最大メリットです。でも逆に”無料だからこそ”、本当に来るかどうかは、彼女たちの意志にかかっていると感じています。それを引き出せるかどうかは、明らかに、導く側(市役所スタッフ)の責任。決して簡単なことでは、ないけれど。
定期的に全員が集まる定例会議を実施することのメリットは、計り知れないほどあります。
1)スタッフ・女性たちの顔を合わせられる、各々の状況を確認できる(連続して参加しなかった人には、スタッフ側が「何かあったかな?」と気をかけられる)
2)市役所側から情報を発信できる=市役所内におけるプロジェクト状況を常にお伝えできる(予算が取れた、次はこれが実施される、市長が賛同している、等)<ビジョン共有>
3)毎月第一木曜日と決めて定期的に実施するため、来月はいつ・再来月はいつ、と全員で実施日の情報共有がしやすい(1回逃しても、次がいつか、既に分かっている)
4)毎月1度モチベーションアップを行い続けることで、気を抜くと下がってしまう女性たちの経済自立へのモチベーションを維持する、維持できる
5)皆で商品を持ち寄り見せ合うことで、お互いで影響を受け合い、自分の商品レベルアップにつながる
6)実際に女性たちの商品を、その場で買える・売れる
7)女性たち同士で情報交換ができる、経済自立に向けた仲間・友達ができる
8)「お招きする」という形で関係者を巻き込める、彼らに”お話して頂く機会”を提供できる=彼らのコミットメントを増やせる→次なるアライアンスへの足がかりになる。
9)・・・
いくらでもあります。
ということで、例として7月7日に実施した16回目の定例会議、実際のhorario スケジュールを下記にご紹介致します。盛りだくさんですよ。このレベルの内容を毎月続けること=確実に提供し続けることは、市民(女性たち)のモチベーションアップ・レベルアップのために、とても大切。みなさんが楽しんで足を運んでくれるような場を、ご提供できればと思っています。
-------------------------------------------------------------
定例会議#16 PAEM
女性の経済自立・起業支援プロジェクト
自分の足で立とう!経済自立へのモチベーションをアップしよう!
※あなたの商品をいくつかお持ちください。
-------------------------------------------------------------
第16回PAEM定例会議 2011年7月7日のアジェンダ
1:30 pm 参加者受付
1:45 pm 女性課課長からの挨拶
女性課課長 Vivian Villavicencio氏
2:00 pm 講義: 起業家育成の重要性
PRONAMYPE(政府中小起業支援プログラム)講師 Flora Marìa Calvo Abarca氏
3:00 pm 皆様への言葉
サンホセ市長アシスタント Victorino Venegas Asistente氏
3:10 pm PAEMプロジェクトの構造と、8月に実施するPAEM第1回卒業式について
PAEMプロジェクトディレクター Yukari Shibuya
3:50 pm 歌: 創造者への賛辞
歌手 Evoney Rojas氏
4:00 pm 講義: 女性起業家へのポテンシャル(潜在能力)のための個人強化
女性課スタッフ Wendy Barquero González氏
4:30 pm 各種情報
- 新規登録者の日 7月14日午後2時 女性課オフィスにて。新しく登録したい方は、商品をお持ちの上お越しください。
- 研修クラスについて
1, 現在実施中の、女性銀行・みんなの銀行・PRONAMYPEにおけるビジネスクラスについて
2, 会社の登記方法ワークショップ 大蔵省主催 7月12日1時、市役所研修ルーム2番教室
3, 新参加者向け ULICORI大学学生主催 女性の経済自立への導入クラス 7月14日午前10時開始
4:45 pm おわりに
PAEMプロジェクトディレクター Yukari Shibuya
※配布用紙にご相談内容、感想などをご記入ください。皆さんの声は私たちにとってとても大切なご意見です。
5:00 pm 軽食
次回の定例会議#17 は、9月8日午後1時半から、5階講堂にて。
注意:8月は第1回PAEM卒業式のため、定例会議は行いません。招待者(120名)のみ参加できます。
-------------------------------------------------------------------------
※2011年7月7日実施 第16回定例会議の様子 すごい人・・・!
※今回は特別ゲストとして歌を歌ってくださる方をお招きしました。感動して泣いている女性もチラホラ・・・
※主催側の女性課スタッフ この3名+秘書と私の5名。受付対応中にパチリ。
※コスタリカは会合の後、refrigerio と呼ばれる軽食を必ず出します。100名分の軽食は・・・圧巻。
※会議は4時間半にも及ぶため、その後の団らんはとても大切な時間。様々な情報交換を行っているようです。
※「食事が足りないから子どもは連れてこないで下さい!」といくらお願いしても、相手はシングルマザー。研修の間、保育所が必要。。限られた予算の中で実施している私たちにとっては、これは切実な問題です。
※スタッフは机をいくつか用意して、皆が持ち合った商品を販売できるようにしています。
2011年7月6日水曜日
Los productos "Hecho a mano" 女性たちの手作り商品
本日は、実際のところどんな商品を扱っているかをご紹介します。
はっきり言います。思っているより、全然良い商品です。情抜きで、私は最近彼女たちから散々買い物をしています。
もう少し正確に言うと・・・、”この1年8カ月で良い商品に変化した”のだと思います。
プロジェクト登録者数は、既に300名を超えました。私がここに来た2009年11月当時は、15名程度の女性たちが集まっていただけでしたので、かなりの勢いで増えています。それだけ女性の経済自立・起業支援プロジェクトのニーズが高かったのでしょう。ちなみに、イメージとして良くありそうな「女性グループの商品」ではなく、ここではひとり1会社、各自が独自の手作り商品を作って販売しています。気のせいか、コスタリカはチームで製造・販売という文化があまり浸透していないように思います。少なくともここに集まって来ている女性たちは、チームで仕事をしていません。ひとり1会社のため、大量生産はできませんが多様な商品があり、スタッフ側(市役所)にとっては商品を見たり買ったりすることが大きな楽しみの1つです。あんまり楽しいので、今女性課では「彼女たちの商品カタログ(名前、連絡先、商品写真、参考商品価格など)を作りたいね」と話しているところです。あ”ー、やることいっぱい。。
【商品一覧】
・アクセサリー類 (ネックレス、ピアス、指輪 等)
・雑貨 (キーホルダー、携帯ストラップ、手作りカード 等)
・子ども用品 (乳児服、幼児服、ベッドリネン 等)
・衣類 (セーター、大きなサイズの洋服 等)
・手芸品 (バッグ、トイレ雑貨、タオル 等)
・化粧品 (クリーム、リップ、石鹸、エステ用品 等)
・食品 (ケーキ、パン、コーヒー 等)
ここで仕事をしていて常々感じるのは、「女性というのはこんなにプロダクティーバ・生産的な存在なんだなぁ。。」ということ。何でも作れるんですね。生み出す力がある。”日本の女性たちの誰もが販売可能な商品を作るなんて、できるかな・・・?”を考えてみると、この「誰もが何かしらの商品を製造できる」ことは、単純にすごいことだと思っています。基本的には、自宅で商品を作り、主にフェリアと呼ばれる販売機会を通じて売っています。
手作りで商品を販売している彼らにとっての脅威は、中国から入ってくる機械製で大量生産の安価商品です。でも、実際に彼女たちの商品を購入して、それらを身につけて生活をしていると、”この人が作ったこの商品”を身にまとうというのは、とても心地が良いものだなぁ、と感じます。私はバッグから洋服からアクセサリーから、どれもこれも、「彼女でしょ、彼女でしょ・・・」と顔が浮かぶものを使っているのですが、この感覚を知ってしまったら、どこの誰がどういう過程で造ったのか分からない、ただ安いだけの商品はあんまり買う気がなくなるのですが・・・、そう感じるのは私だけでしょうか? きっと、だからウォールマートが入って来たとき、何とも言えない嫌な気持ちになったのだと思います。このプロジェクトに集まっている皆で、仲間が作った商品を、皆で購入する運動を行ってます。町が、各自作れるものでつながっているというのは、私はとても心地の良い生活だと思います。「地域社会」を感じます。
言葉で書くより、写真で観るのが早いと思うので、ほんの一部ですが今手元にある分の写真を下記に掲載します。もっと上手に写真が撮れたら良いのに!!すみません・・・素人の写真です。(ごめんね、みんな。。。)
※私の一押しセーター屋 Yajailaさん 細身の女性向きですが、デザインが特に良いです。色づかいも好き。(彼女は生まれつき骨髄の病気を持っていて、20年間入院生活をしていました。手術を乗り越え克服して、セーター屋をしています。)
※シルバー925(純銀)を使ったアクセサリー屋 Yoleniさん 量り売りもしています。
※アクセサリー屋 Feliciaさん デザインがかなり良い。使っている石もサンゴ等も。
※リバーシブルのバッグ屋 Yaninaさん デザインも一生懸命勉強しています。(バッグ屋を始めたのは昨年1月。元夫と離婚をしてシングルマザーになったことがきっかけ。)
※ベッドカバー、枕カバー、シーツ等のベッドリネン屋 Karlaさん 直接卸している契約店舗が12店もあります。ケースのプラスチックバッグも手作り。(6人いる子どもは誰も父親がおらず、シングルで育てています。)
※指人形屋 Anaさん 本当に”唯一”の商品。この緑の人形はAutoestimaクラスで登場したクロコダイルで、先生へのお礼用に作ってくれたもの。それぞれに意味を持たせ、メッセージも添えています。こういうプレゼントは嬉しいと思う。
※子ども服屋さん Dorisさん びっくりするほど丁寧に裁縫されていて、うまい。このレベルの手作り子供服を日本で買ったら、相当高いと思う。
※木の文字彫り屋 Katiaさん 希望した名前や言葉で、キーホルダーや携帯ストラップを作ってくれます。yukariもお願いしました。
※カード屋 Ana Guisselさん これは”Filigrana フィリグラーナ”という紙細工技術を使ったカードです。私は気に入っていて、友達宛のカードに買っています。下記は8月にある母の日用カード。
※焼き物屋 ***さん アクセサリーだけでなく、ボタンや小さな入れ物等も作っていて、他の女性たちとのコラボレーションを模索しています。彼女はアイディアが良いです。
※自然素材の化粧品屋 ***さん 手作りのクリームやリップ、石鹸等を作っています。さっぱりした使い心地。先日、卸す先のホテルを見つけたと言っていました。
※昨年のクリスマスには、各自5,000₡分の自身の商品を持ち寄ってプレゼント交換会をしました。ザ・「地域社会」です。私だけがお店で買ってきたものを持参。情けないー・・・!と本当に思った。。(編み棒、下さい。次は自分で編む。)
はっきり言います。思っているより、全然良い商品です。情抜きで、私は最近彼女たちから散々買い物をしています。
もう少し正確に言うと・・・、”この1年8カ月で良い商品に変化した”のだと思います。
プロジェクト登録者数は、既に300名を超えました。私がここに来た2009年11月当時は、15名程度の女性たちが集まっていただけでしたので、かなりの勢いで増えています。それだけ女性の経済自立・起業支援プロジェクトのニーズが高かったのでしょう。ちなみに、イメージとして良くありそうな「女性グループの商品」ではなく、ここではひとり1会社、各自が独自の手作り商品を作って販売しています。気のせいか、コスタリカはチームで製造・販売という文化があまり浸透していないように思います。少なくともここに集まって来ている女性たちは、チームで仕事をしていません。ひとり1会社のため、大量生産はできませんが多様な商品があり、スタッフ側(市役所)にとっては商品を見たり買ったりすることが大きな楽しみの1つです。あんまり楽しいので、今女性課では「彼女たちの商品カタログ(名前、連絡先、商品写真、参考商品価格など)を作りたいね」と話しているところです。あ”ー、やることいっぱい。。
【商品一覧】
・アクセサリー類 (ネックレス、ピアス、指輪 等)
・雑貨 (キーホルダー、携帯ストラップ、手作りカード 等)
・子ども用品 (乳児服、幼児服、ベッドリネン 等)
・衣類 (セーター、大きなサイズの洋服 等)
・手芸品 (バッグ、トイレ雑貨、タオル 等)
・化粧品 (クリーム、リップ、石鹸、エステ用品 等)
・食品 (ケーキ、パン、コーヒー 等)
ここで仕事をしていて常々感じるのは、「女性というのはこんなにプロダクティーバ・生産的な存在なんだなぁ。。」ということ。何でも作れるんですね。生み出す力がある。”日本の女性たちの誰もが販売可能な商品を作るなんて、できるかな・・・?”を考えてみると、この「誰もが何かしらの商品を製造できる」ことは、単純にすごいことだと思っています。基本的には、自宅で商品を作り、主にフェリアと呼ばれる販売機会を通じて売っています。
手作りで商品を販売している彼らにとっての脅威は、中国から入ってくる機械製で大量生産の安価商品です。でも、実際に彼女たちの商品を購入して、それらを身につけて生活をしていると、”この人が作ったこの商品”を身にまとうというのは、とても心地が良いものだなぁ、と感じます。私はバッグから洋服からアクセサリーから、どれもこれも、「彼女でしょ、彼女でしょ・・・」と顔が浮かぶものを使っているのですが、この感覚を知ってしまったら、どこの誰がどういう過程で造ったのか分からない、ただ安いだけの商品はあんまり買う気がなくなるのですが・・・、そう感じるのは私だけでしょうか? きっと、だからウォールマートが入って来たとき、何とも言えない嫌な気持ちになったのだと思います。このプロジェクトに集まっている皆で、仲間が作った商品を、皆で購入する運動を行ってます。町が、各自作れるものでつながっているというのは、私はとても心地の良い生活だと思います。「地域社会」を感じます。
言葉で書くより、写真で観るのが早いと思うので、ほんの一部ですが今手元にある分の写真を下記に掲載します。もっと上手に写真が撮れたら良いのに!!すみません・・・素人の写真です。(ごめんね、みんな。。。)
※私の一押しセーター屋 Yajailaさん 細身の女性向きですが、デザインが特に良いです。色づかいも好き。(彼女は生まれつき骨髄の病気を持っていて、20年間入院生活をしていました。手術を乗り越え克服して、セーター屋をしています。)
※シルバー925(純銀)を使ったアクセサリー屋 Yoleniさん 量り売りもしています。
※アクセサリー屋 Feliciaさん デザインがかなり良い。使っている石もサンゴ等も。
※リバーシブルのバッグ屋 Yaninaさん デザインも一生懸命勉強しています。(バッグ屋を始めたのは昨年1月。元夫と離婚をしてシングルマザーになったことがきっかけ。)
※ベッドカバー、枕カバー、シーツ等のベッドリネン屋 Karlaさん 直接卸している契約店舗が12店もあります。ケースのプラスチックバッグも手作り。(6人いる子どもは誰も父親がおらず、シングルで育てています。)
※指人形屋 Anaさん 本当に”唯一”の商品。この緑の人形はAutoestimaクラスで登場したクロコダイルで、先生へのお礼用に作ってくれたもの。それぞれに意味を持たせ、メッセージも添えています。こういうプレゼントは嬉しいと思う。
※子ども服屋さん Dorisさん びっくりするほど丁寧に裁縫されていて、うまい。このレベルの手作り子供服を日本で買ったら、相当高いと思う。
※木の文字彫り屋 Katiaさん 希望した名前や言葉で、キーホルダーや携帯ストラップを作ってくれます。yukariもお願いしました。
※カード屋 Ana Guisselさん これは”Filigrana フィリグラーナ”という紙細工技術を使ったカードです。私は気に入っていて、友達宛のカードに買っています。下記は8月にある母の日用カード。
※焼き物屋 ***さん アクセサリーだけでなく、ボタンや小さな入れ物等も作っていて、他の女性たちとのコラボレーションを模索しています。彼女はアイディアが良いです。
※自然素材の化粧品屋 ***さん 手作りのクリームやリップ、石鹸等を作っています。さっぱりした使い心地。先日、卸す先のホテルを見つけたと言っていました。
※昨年のクリスマスには、各自5,000₡分の自身の商品を持ち寄ってプレゼント交換会をしました。ザ・「地域社会」です。私だけがお店で買ってきたものを持参。情けないー・・・!と本当に思った。。(編み棒、下さい。次は自分で編む。)
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