2010年7月30日金曜日

Isla de Maiz カリブ海のコーン島より

夏期休暇につき隣国Nicaraguaに来ているため、San José情報は今回までお休み。

カリブ海に浮かぶニカラグアの島 Isla de Maiz(コーン島)に来ています。首都Managuaからプロペラ機で1時間半。透明度が高く大変に綺麗な海と空を堪能しました。旅を通じて、開発されていない=未開発、手つかずの自然というのは本当に美しく、そう考えると地球は元々とても綺麗な星だったんだな、と初めて思いました。(ということは…?アフリカはもっと美しいに違いない。)何より、行くことはまず無いだろうと思っていた場所に、こうして来れた貴重な機会に感謝しています。ご興味を持って下さった方、コスタリカSan Joséの帰りに、Nicaraguaへ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

休暇満喫。さー、仕事! 皆様も良い夏をお過ごし下さいませ。
Casa Canada WEBサイト












2010年7月28日水曜日

León レオンで戦後史・東西冷戦の体験を聞きました

夏期休暇中で隣国Nicaraguaに来ているため、San José情報はお休み中です。

首都Managuaを経由して、Leónという町にやって来ました。道中「これは…貧しいかも。。」と思う場面に何度か遭遇。LeónもGranadaと同じく1524年スペイン入植の際に造られた街で、LeónかGranadaのどちらが首都かで長らく内戦を続けていたそうです。(結果、中間地点にあるManaguaが首都になったとのこと。)
市内ツアーに参加したのですが…。日本では”語り部さん”と呼ぶのでしょうか。1964年生まれ46歳の彼は、東西冷戦に巻き込まれた人生を送っていました。あまりに壮絶で、心の底から「これからは平和に暮らしてください。」と思いました。単なる市内ツアーを希望していた私がこのようなお話を聞くことになったのは、何かのご縁だったのでしょうか…。Leónは至る処で歴史の傷跡が見られます。

生まれた時から内戦で、収容所では知人・友人が目の前で殺されていく場面を散々見た挙句、収容所を出た後はロシアが介入し「金も食事も武器も、欲しいものは全部あげる。ただし社会主義になりなさい。」と言われ、貧しすぎる彼らは逆らうすべもなくロシアに送り込まれました。その地でダーウィン進化論を教え込まれ、とんでもないショックを受けます。彼らは敬虔なクリスチャンですから、人間の祖先が猿というのは全くもって受け入れられず、凄まじい混乱を来したそうです。(余談ですが、山本七平氏の代表作「空気」の研究に、モンキートライアルに関する本質的でとても分かりやすい記述があります。ご興味のある方は是非。)
国に戻ってからも戦争で、仲間の墓を作っては埋めての毎日。「クリスマスを祝う時間、友達と遊ぶ時間、家族と居る時間、そんな時間はどこにも無かった。」その後、キューバに送り込まれます。市内ツアー中、ゴルバチョフとレーガンが並んで写っている写真を見せながら「彼らの喧嘩に巻き込まれた。」の発言は、リアルすぎて言葉に詰まりました。私は当時子どもでしたが、テレビや新聞を通じて聞く冷戦という言葉に、「冷戦って言うぐらいだから、きっと実際に血を流す戦争はしていないんだろうな。」なんて呑気に思っていたような気がします。しかし現場は違いました。市内ツアーで回った戦争祈念館では、戦死者の写真を指しながら「これが弟、これが当時のボス、これが友達。」「彼らが命を捧げて戦ってくれたから、長かった戦争が終わった。感謝してもし足りない。」リアル過ぎます。。
終戦時は嬉しい気持ちは半分で、途方に暮れてしまったそうです。「なぜ?」と聞くと「生まれた時から戦争しか知らなかった。あの時は、これから何をして生きていけば良いのか、一切分からなかった。」でも転機が訪れます。その後数年間、ガードマンやタクシードライバーをして過ごし、敵だと教えられてきた人たちが実は優しい普通の人間であったことを知ります。2000年Leónにできた一流ホテル(※以下写真)の開業と同時に5年間ベルボーイとして働くと、そのホテルオーナーによる奨学金で、市内の大学にて歴史と英語の勉強をする機会を得ます(それまで英語は一切できなかった)。その後、オーナーから「君はもうガードマンではない。プロのツアーガイドだ。」と言ってもらえたことがきっかけで、数年前からLeonの町でツアーガイドとして仕事を始めたそうです。市内ツアー終了時、「今こうして、小さいけれど会社を持つことができ、売上の一部をLeónの小学校に寄付して教科書や必要な道具に役立てられていることに、とても幸せを感じている。ご清聴ありがとうございました。」と涙目で締めくくりました。※以下写真、オフィスの前で。

「教育は人間にとって大事だと思いますか?」と質問すると、真顔で「食べ物より着る物より何よりも、人間にとって一番大事。」と力説してくれました。「なぜ?」「教育を受けることで、どうやって食べ物を得ればよいのか、どうやって着る物を得れば良いのか、その方法が分かるから。自分たちは確かに貧しいけれど、釣った魚をもらうことよりも、その魚の釣り方を教えてもらうことの方が大事。自分で魚を採れるようになる。」「どのタイミングで教育が大事だと感じましたか?」「ホテルでベルボーイをしていた時。そこに泊まりに来るお金持ちの外国人達が皆、ずっと本を読んでいた。ご飯を食べている時も、タクシーを待っている間も、リラックスしている時も、彼らはずーーーーっと本を読んでいた。最初は”何を読んでいるんだろう?”と不思議だった。ニカラグア人はそういうことはしない。だから、この中に何か秘密が隠されているに違いないと思って、彼らが要らないと残していった書籍を片っ端から読み漁った。そしたら、ありとあらゆることが書かれていた。大学に行かなくても、本からたくさんのことを学べると知った。」「読み書きは、いつできるようになったんですか?」「僕は軍でちょっと偉かったから、文書を読んだり書いたりしていたし、小学校でも習った。」「勉強を始めたことで、何が変わりましたか?」「今の自分にとっては、誰が大統領になろうと、大統領が何を命令しようと、知ったことではない。自分の人生とは別のこと。でも以前は違った。大統領は自分の全てだった。自分の人生とは別、という意識はなかった。今大統領に言いたいことは、もっとこの国に外国人が観光で来てくれるよう頑張ってもらいたい、ということだ。」「これからの夢は何ですか?」「ふたりの娘が大学に行って、英語ができるようになって、たくさんの人と交流して、幸せに暮らすこと。でも彼女たち、勉強にあんまり興味が無いんだよ。本も読まない。困ったものだ。まぁ、まだ子どもだからね。」彼は…現在46歳です。つまり、歴史と言ってもつい最近の話です。

本当はここまで詳しく書くつもりは無かったのですが、もっと言うと、書くこと自体少しためらったのですが、何かのご縁でこの地でお会いし、生々とその人生を涙ながらに語って下さったので、少しでも記録に残した方が良いだろうと考え、記させて頂きました。ちなみに市内ツアーに同行していたオランダ人の若者2名が彼に共感し、彼の会社のWebサイトを現在ボランティアで作成中。彼らはハイチで1ヶ月間救助活動をした後、ここに来たそうです。1ヶ月後には新サイトが公開されるとのこと。お楽しみに。尚、本ツアーは通常ツアーではなく、オランダ人2名と米国人1名に向けた特別市内+歴史体験談ツアーだったそうです。その予定の日にたまたま私が市内ツアーを申し込み、参加してみたらこの内容でした。ご本人自身、何度も涙が溢れそうになっていて、全く語り慣れてないなと思いました。今後「市内歴史ツアー」として商品化されると思います。
(最後に、太字にしてある部分。私は今、女性たちのナノカンパニー経済自立支援の仕事をしています。”やはり大事なポイントになるのはここだ。”と再確認した部分。)

Julio Tour Webサイト (2010年9月、新サイト再OPEN予定)








2010年7月26日月曜日

Granada ニカラグアの古都 グラナダ

夏期休暇を頂き、隣の国Nicaraguaに来ています。San José情報は少しお休み中。

ニカラグアの古都Granadaに居ます。ここでも驚かされました。1524年、最初にスペインが入植した際に造られた街で、植民地当時の建物を殆どそのまま使っています。(と同時に、貧しくて建て替えられないのだろうな…。)使い続けているからか保存状態も良く、「今は21世紀?だったよね?」と確認したくなる瞬間が多々。中米の、しかも世界で指折りの最貧国と言われる国に、中世ヨーロッパがそのまま残っているなんて、誰が想像できるでしょう?
私の宿La casa La Mercedは150年前に建てられた旧家で、中に入った途端、本気でイタリアのフィレンツェ・サンマルコ寺院を思い出しました。建築様式が同じです。しかもこの宿だけではなく、Granadaに有る建物はほとんど全てがこの様式。回廊、中庭、噴水…。街は赤瓦に石畳、馬車が普通に走っています。教会からはガランガランと鐘の音。「ここは…どこだっけ?」

朝食時におしゃべりをしていて初めて知ったのですが、宿の経営者はイタリア人。生活拠点は実はコスタリカSan Joséに置いていて、2週間づつ娘と交代でここに来ているそうです。前述のeco-lodgeもそうですが、欧州人のお金の使い方には、頭が下がるし勉強になります。ちなみに購入ではなく借家とのこと。「高すぎて買えないよ!」。所有はしてない。けれど、こういう形で歴史的建造物を皆で代々護っていく。こんな手法もあるのか…と思いました。何より、イタリアから縁遭ってこの地にやってきて、普通にホテル経営をしている。それが、歴史的建造物の保護になっていて、且つ、きちんと継続する仕組みも持っている。きっとこの方が30~40年担って、代が終わったら別の方が自然と引き継いで…と、続いていくのでしょうね。150年ならこの方は4代目でしょうか。私はそういう部分に感心してしまうのです。なるほどねぇ…。京都の町屋等も、このような形で保護されているのかな。

「回廊や中庭など、イタリアの建築様式そのままですね。」と聞いたら、「これはイタリア様式というより、ローマ様式の建築。スペイン人が建てたものだよ。」と教えてくれました。
La casa de Merced Webサイト

全く関係ありませんが、久しぶりに朝Ashutanga Yogaをしました。なぜかこの街、Ashutanga流行ってます。外国人が多いからでしょうか…。お陰で全身筋肉痛。。
Pure Natural Heath (Gym & Yoga Studio) Webサイト














2010年7月23日金曜日

TOTOCO eco-lodge, Isla de Ometepe オメテペ島

夏休みを頂戴し、隣の国Nicaraguaに来ています。San José情報は少しお休み。

正直、驚いています。大変に綺麗な国です。昨日バスで6時間半かけて国境を渡り、1時間の船に乗り、海のように大きなGranada湖に浮かぶIsla de Ometepeという島に来ました。2つの火山からなる、形はちょうど八丈島に似ていますが、45,000人が住むかなり大きな島です。船を降りてから宿まで、島内をタクシーで1時間。
TOTOCO eco-lodgeという宿をネットで見つけて予約して来たのですが、驚きました。オランダ人・ベルギー人・オーストリア人の3人による100%プライベート経営で、2009年より実際に宿泊客を受け入れ始めたとのこと。13名のニカラグア人が働いています。全てが手作りの、徹底したECO追求の宿です。3人のうちひとりが建築家で、エコとはいえかなり洒落ています。欧米人はこういうことに本気で取り組むんだと感心しきり。
1、電気:100%ソーラーパネル(現地電気系統とは一切接続していない)
2、水 :トイレは100%コンポストトイレで水は不使用(肥料にする)、95%の生活排水を3技法の自然濾過を行い乾季時の植物用水として再利用 ※以下写真、自然濾過法の1つを説明するオランダ人(これは日本の金魚鉢に浮いている水草では…?)
3、農業:70ヘクタールの所有地で有機農業栽培(自家製のパンやピザは自家製カマドで焼きたて)、山を守るための植林やその他様々な対策も実施
4、ゴミ:6種類に分別、自然に戻せずリサイクが不可能なものは全て袋に詰めて保管(いずれ処理できる日が来ることを待っているとのこと)

自然を壊さず人間が共存するために何をすれば良いのかを、先人たちに習い、様々な知恵を活用しているそうです。これらエコ技術を学びに来る米国・欧米のボランティアも、多数受け入れているとのこと。地元経済活性化プロジェクトも同時並行で実施中。(micro-credit、女性ナノカンパニーの支援)度肝を抜きました。ニカラグアは歴史上米国とはあまり仲が良くなく、主に欧州の支援が入っているそうですが、とはいえ、政府の支援ではなく100%プライベート会社でこれだけのものを作れるとは、本当にすごい。もしこれが日本人だったら、あっという間に社会起業とか何とかで注目の的です。でも欧州の人は普通にやっている。そこがすごい。

もちろん人を魅了するだけの美しい自然があります。たくさんの鳥とチョウチョ、花が咲き乱れ、動物たちもたくさん居て、山も美しいです。これだけの蝶が飛んでいるのを見たのは、生まれて始めてかも。夕日も絶景。夜は「蛍」がたくさん飛んでいました。蛍ですよ。
Webサイトで見ていたよりずっと綺麗な場所です。何より物価が安い。驚く程安い。この宿でビールを1本1.20$(100円弱)で出せるって、凄いと思いませんか?(ちなみに国際バスは30$でした。)日本人にとってニカラグアはあまり近い国ではないし、世界でも指折りの貧しい国と聞いていたので、一体どんな国だろう?と来てみましたが、多くの人が「ニカラグアは綺麗だよ!」と言っていたのは本当でした。初日にこの宿に辿り着き、これからの旅が楽しみです。

TOTOCO Eco-lodge, Isla de Ometepe, Nicaragua Webサイト
かなり大きな島でアクティビティーも多種あるので、せっかく行くなら長めの滞在をお薦めします。2010年7月現在、支払いはクレジットカード利用不可で現金のみ。







2010年7月21日水曜日

Artesanía 民芸品店街

観光名所の1つになっている市内中心部にある民芸品店街。いわゆるコスタリカ製のお土産屋さんで、手作りのものが多いです。いつも外国人観光客で賑わっています。私はここで女性達のナノカンパニー経済自立支援をしていますが、この民芸品店街に店舗を持つには、かなりの出店料を払わなくてはならないと聞きました。相応の商品が置いてあるかは、ぜひ直接見て確かめて下さい。小さなSODA(食堂)もあります。
住所:Museo Nacional の前









2010年7月19日月曜日

Panadería La Selecta 町のパン屋さん

日常食べるものが普通に美味しい。というのは、大事なことです。以前どなたかから「飯がまずい国は、大したことはできない。」と聞いたことがあります。日常食べているもの、ここではパンです。6年前こちらに来た時、ふとお腹がすいて通りの何でもないパン屋で買って食べたパンが、普通に焼きたてで美味しくて、「すごい国だな…」と思ったのを覚えています。La Selectaはそんな日常を代表する町の普通のパン屋さん。フランス語圏ではないのでバゲットではないけれど、パン好きな私としては嬉しい日常。市内の至る所に支店があります。
住所:Calle 30-32, Paseo Colón, San José