2011年2月7日月曜日

INBio Parque インビオ・パルケ

San Joséにほど近い Heredia に、INBio 国立生物多様性研究所 という場所があります。この研究所に属する INBio Parque へ行ってきました。ここは「コスタリカの動植物園」。熱帯雨林から始まり乾燥林で終わり、それぞれの森で異なる動植物が生息していることを、分かりやすく伝えています。Perezoso ナマケモノ にも会えます。また、子供向けの小さいfinca(農園)もあり、ウサギや豚や七面鳥などの動物も居るので、San Joséには小さな動物園があるのですが、そちらへ行くよりはINBio Parqueを圧倒的におススメします。1日に3回、英語又はスペイン語のガイドがつき、動植物やその生態系について解説をしてくれます。
※ちなみに、先日2011年1月に来コスタリカされた秋篠宮・紀子様も、こちらの INBio Parque を訪れています。

こちらに来る前、以前よりお世話になっている日経BPの方に、下記の書籍「生物多様性という名の革命」を紹介してもらいました。6章にINBioに関する詳細が記されています。それもあって、以前より興味を持っていました。INBioは、生物多様性の実験として国際的に有名な場所です。ペンシルバニア大学の生態学者・保全生物学者の Daniel Hunt Janzen氏と、コスタリカ大学の生物・分子生物学センターの前所長の Rodrigo Gamez氏が先導をきって、壮大なビジョンのもとに1991年に設立されました。今から20年前です。「例えば、マダガスカル島のニチニチソウ(日々草)に含まれる化合物から、イーライ・リリー社はリンパ腫と小児白血病の薬を開発した。リリー社はこの植物で何億ドルも儲けたが、マダガスカルにはただの1セントも渡らなかった。Gamez氏はコスタリカにマダガスカルの轍を踏ませないために、コスタリカの土の中とその上に住むあらゆる生き物は、お金を払わなければ利用できない資源という認識の確立を目指している。そこで、コスタリカに生息すると想定される50万種の生物の目録を、コンピューターで管理しよう。」
INBio Parque では、研究室と書かれた部屋で植物・昆虫・動物の標本を見ることができます。VivianaさんというNaturalistが、いろいろと教えて下さいました。これらの標本を集めているのは、”パラ・タクソノミスト”と呼ばれる専門の人たち。設立当初は全国(の主に国立公園)にこのパラ・タクソノミストを配置し、国中でサンプル採集に当たるというアイディアだったそうですが、当時60名ほど居たパラ・タクソノミストも資金的な問題から、2011年現在フルタイム職員として働いているのは11名のみとのことでした。設立時は、米国製薬会社のMerckも100万ドル以上を資金提供しました。しかし、残念ながらお目当ての抗ガン剤用資源は見つからず、今はスポンサー契約をしていないそうです。この研究所を通じて、実際に新薬は見つかったのかを尋ねてみると、2つを教えてくれました。これらの薬は、米国の製薬会社からではなく、コスタリカの製薬会社から出ているそうです。(後日、記載します

書籍:「生物多様性という名の革命」デヴィッド・タカーチ著 日経BP社 3,570円 Webサイト

INBio 国立生物多様性研究所:Webサイト、 INBio Parque:Webサイト
開園時間:火~日曜日 8:30am-4:00pm(最終入園2:00pm)、月曜日休園
英語・スペイン語ガイド:火~日曜日 9:00am, 11:00am y 2:00pm
入園料:外国人44.00$ (ガイド、昼食付き)、 コスタリカ在住者3,550₡、ガイド付き4,100₡

▼San JoséからINBio Parqueへの行き方 ※2011年現在
 バスの種類:Heredia por Tibas 行き  (Tibas経由)
 バス停(parada):Calle 7 - Ave. 1
 出発時刻:毎20分ごと、 所要時間:片道20分
 運賃:片道360₡(0.72$、60円程) 、 バスが出る曜日:毎日